給排水管に生じるスケール(カルシウムなどのミネラル分の堆積物)などを防止する効果をもつ水処理システム「エミール」への注目が集まっている。大手企業や公共施設での導入が進んでおり、戸建て住宅へのさらなる普及拡大を図りたい考えだ。

エミールは、ステンレスの筐体中に大きさの異なるセラミックスを充填した水処理システム。家庭用と業務用を用意している。水道メーター付近など、処理した水が建物内の給排水管に行き渡るように設置。エミールの中を流動した水は、排水管や設備機器などにスケールやサビ、ヌメリという付着物が付きにくくなる。「エミールで処理された水は、プラスの電荷が付加されることで、付着物を軟化させる作用があると考えられている。さらに軟化した付着物は水流によって剥離し、スケールなどの付着物を解消することができると推定される」(吉岡政志代表取締役)。

原理は推定段階だが、家庭用は(公社)日本水道協会による製品の認証登録を取得し、給水用具として認められており、すでに工場など大規模施設のクーリングタワーやマンションなどでの採用が進んでいるという。

大小異なるセラミックスを入れることで、水流の勢いに合わせた適正な流動を実現

取付部にナットをかけられるようにして、従前の製品よりも施工性を向上させた

薬品処理と差別化
メンテナンスフリーで訴求

エミールは、前身の製品から改良を行い、2013年9月に開発、販売を開始した。他社製品と異なり、下から上に水を通すことでセラミックスを流動させ、水へのプラス電荷の付加を可能にしている。また、筐体中にあるセラミックスの大きさが均一の場合、水の勢いが強いと、上部にセラミックスが張り付いてしまい流動しなくなるという問題が生じる。エミールは、セラミックスを大小2種類にすることで、通常時は小さい粒が流動し、水の流れが激しいときは大きい粒が流動するようにさせ、水流の勢いの変化に対応できるようにしている。

また、スケールの解消でよく使用される高圧洗浄や薬品処理は、定期的なメンテナンスやコストが必要となる。一方、エミールは水そのものの質を変化させる仕組みのため、半永久的にメンテナンスフリー。「工場の排水管に生じるスケールのほか、温泉の“湯の華スケール”、トイレの尿石の解消・防止で徐々に実績を増やしている。住宅・非住宅を問わず、メンテナンスフリー=ランニングコストゼロで様々な問題を解消することができるようになる」(吉岡代表取締役)。

これまでの実績を受けて、あるエコキュートメーカーは、井戸水対応のエコキュート製品にエミールを搭載した新機種を発売。好評を得ているという。また、宮古島で行われている「宮古島市島嶼型スマートコミュニティ実証事業」においても、貯水・貯湯の取り組みの一環として、約3000世帯にエミールが支給され、その効果が期待されているという。「将来的には非住宅、住宅に関わらず、標準採用されるアイテムに発展させていきたい」(吉岡代表取締役)。

家庭用の販売価格は17万円(税抜き)、業務用はオープン価格としている。

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