建材 |  2018.6.29

サンワカンパニー、ネットによる建材・設備の販売が好調 ものづくりの技術を活かした製品提案が進む

豊富な品揃えとデザイン性の高さを武器に販売拡大を狙う

建材や設備製品を提供するサンワカンパニー(大阪市北区、山根太郎代表取締役社長)は、製品のすべてをインターネットのみで販売している。職人がつくる洗練されたデザインの製品を低価格で提供しつづけ2017年9月期の売上高は過去最高を超えた。デザイン性の高い製品の開発などで認知度拡大、販売増加を狙う。

サンワカンパニーは建材や設備機器など提供する製品のすべてをインターネットで販売している。設計事務所や不動産開発業者向けに建材や設備機器の商品開発を行っていた同社は、2000年からインターネットによる製品販売を開始。当時、FAXで注文を受け入金を確認した後に製品を発送するというアナログな仕組みでスタートしたが、自社開発した製品の製造をメーカーに委託し、直接仕入れを行うことで大手建材・設備メーカーに比べ3割程度価格を安くし、ユーザーの属性によらない価格の統一化を実現、販売を伸ばしている。

製品の数々は同社のオンラインストアで購入できる。例えばキッチンのカテゴリーを選択すると様々な種類のシステムキッチンを見ることができるほか、レイアウトのイメージ図や説明書なども確認できる。「システムキッチンWEB見積りシステム」でキッチンの種類・プラン・配送方法などを選択すると見積りも取得可能。

販売を伸ばしている要因のひとつは製品の品揃えの多さだ。キッチンやバス、洗面ボウルや建具など20カテゴリー、6000点以上の製品を取り扱っており、全体の約8割が自社開発のオリジナル商品となっている。タイルやレンガ、ガラスなどの輸入品も取り扱っており、ワンストップで総合的な提案が可能だ。マーケティング部広報課の矢頭ユミ氏は「当社が提供する豊富な製品で理想の家づくりを実現できたら」話す。

2015年からはエクステリア製品の提案も行っている。今年4月には再配達問題の解消に宅配ボックスとポスト、インターホンの3つの機能をひとつにまとめた「オスポール宅配BOX」の販売を開始。機能性を重視しつつもステンレス素材による高級感とミニマルなデザインが好評を得ている。

さらに、販売増加には東京・仙台・大阪・名古屋・福岡・台北に設置されたショールームも力を発揮している。ショールームでの製品展示が実物を確認できないというネット販売の弱みを解消する。

職人が手作業でつくるステンレス洗面ボウル「Spinning」
2015年からエクステリア製品の提案を開始。「オスポール宅配BOX」は好評を得ている製品のひとつ

無駄を省いたシンプルなデザイン
海外の見本市でも高い評価

サンワカンパニーの製品を語るうえで欠かせないのが洗練されたデザイン。「Minimalism(最小限)」をコンセプトに掲げ、一貫して無駄を省いたシンプルで美しいデザインを提案しているが、それぞれの製品は日本のものづくり技術によりつくり出されたものだ。

例えば、スタイリッシュな外観のステンレス洗面ボウル「Spinning(スピニング)」は、ヘラ絞りと呼ばれる加工技法を使って作られている。平面状や円筒状の金属板を回転させながら、ヘラと呼ばれる棒を押し当てて少しずつ変形させることで美しい曲面を表現する。古くから鍋ややかんなどの加工に使われてきた技法だが、大型製品は機械化することができないため職人が手作業でつくっているという。同社は2015年にドイツのインダストリー・フォーラム・デザイン・ハノーファが主催する優れたデザインの製品に贈られる「iFデザイン賞」をSpinningで受賞している。さらに、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催する国際的なデザイン賞のひとつreddotデザイン賞の受賞経験も持っている。

デザイン性の高さは海外でも評価されている。

今年開催された第57回「ミラノサローネ国際家具見本市」にて同時開催されたキッチンの見本市「エウロクチーナ」で、第3回ミラノサローネ・アワードを受賞している。これは、ミラノサローネの出展社を対象に展示商品だけでなく展示空間やそのコンセプトなどを総合的に審査、最も優れた出展社を表彰するもの。「The Impact of Compact」をテーマに320平方mのブース内に小さなキッチンを8台展示することでコンパクトキッチンの可能性を提案、製品のデザイン性に加えストーリー性のある空間などが高く評価された。出展社数1841社の中からわずか3社しか選ばれないなか、同社は日本企業として初めて受賞した。

キッチンの見本市「エウロクチーナ」で、第3回ミラノサローネ国際家具見本市アワードを日本企業として初めて受賞した
キッチンの見本市「エウロクチーナ」では「The Impact of Compact」をテーマにコンパクトキッチンの可能性を提案した

2018年9月期売上高103億円へ
製品開発、空間提案を強化

2017年9月期の売上高は前期比6.5%増の87億3700万円となり、過去最高を記録した。購入者数は前期比1.6%減の2万6916人となったものの購入単価は約32万円(前期比8.0%増)になり、増収に大きく貢献。なかでもバスや洗面台の販売が増加した。

同社は昨年からオリジナル家具製品としてオーダーメードソファを販売しているほか、他メーカーの冷蔵庫の取り扱いも開始し家電販売にも参入している。強みであるデザイン性の高い建材・設備製品とともに家具や家電の販売を進め、空間としての提案を強化する。

「サンワカンパニーブランドを世界に発信していきたい。そのためには認知度拡大が不可欠。デザイン性の高さを武器にした製品開発を今後も進めていく」(矢頭氏)と、2018年9月期売上高103億円(前期比18%増)を目指す。

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