2018.6.19

ものづくりの現場で価値を見る、聞く、体験する

トクラス 浜松本社工場“ルポ”

人造大理石を使った製品づくりを得意とするトクラス。同社は製品のすべてを静岡県浜松市にある本社工場で生産している。50年前に建てられたこの工場では、ピアノやスキー板などの生産を経て現在はキッチンやバスタブなどの邸別生産による一貫した丁寧なものづくりが進められている。

本社工場の敷地面積は約3万3000坪、東京ドーム約2.3個分の広い工場で同社の製品すべてを生産しており、ハウスメーカーや工務店などのプロユーザーを対象に積極的に工場見学も実施している。同社の強みである人造大理石を使ったキッチンやバスタブの生産過程を間近で見られるほか、ものづくりの歴史や人造大理石という素材についても知ることができるように工夫されている。

工場見学では、ものづくりに対する姿勢や熱意を強く訴求している。たとえば、同社は人造大理石をつくるための材料を業界で唯一自社開発している。明確な定義がない人造大理石は、メーカーによって材料やつくり方が異なるため性能の差が出やすい。これに対して同社は製品にあわせて材料を開発、調合することで高い性能を確保。フリットと呼ばれる色や柄を表現する材料の組み合わせを変えることで、デザインは無数に表現できるという。こうしたものづくりへのこだわりが、製品の品質や性能の高さにつながっている。

キッチンの生産ラインで人造大理石によるカウンターの生産工程を見ることができる。大きさや形の異なるキッチンカウンターの金型を18台用意。調合した樹脂を注文内容に沿った金型に流し込み、上下に流れる温水の熱によって硬化させる。温水の温度は人造大理石が完成したときの強度に大きく影響するため、機械を使って正確にコントロールしているという。金型から取り外したカウンターはその後、1度目の硬化よりも高い温度で2度目の硬化を行う。2回の硬化がカウンターの強度を高める。


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