鮮やかな在来木造の工業化
在来木造を工業化する大型パネル事業を展開するウッドステーションが立ち上がった。同社は工場で柱、梁、断熱材、サッシなどを組み立て大型パネル化する工業化技術と、BIMなどの最新の情報技術の融合を図ることで、住宅製造工程を「見える化」し、在来木造の生産性を飛躍的に高めるのを目的としている。また、こうしたノウハウを受託加工という形で提供することで、ビルダーの工業化を下支えするビジネスモデルの構築に挑む。
住宅製造工程の見える化は、住宅業界に関連するサプライチェーン全体に影響を及ぼしていく可能性もある。大型パネル事業では、木材や建材の情報、加工情報、さらにはいつ建設されるのかといった、より確度の高い設計情報を把握、管理する。その確度の高い設計情報をサプライチェーンの上流に流すことで、計画通りに生産し、現場に供給するマーケットイン型の住宅づくりへと導くことが可能になる。在来木造の生産のあり方を根本から変えていく可能性を秘めている。
一方、欧米などに目を向けても、パネル化技術と情報技術を駆使して、木造の住宅・建築業界にイノベーションを起こそうという動きが加速している。こうした潮流が世界で同時多発的に生まれてきていることも興味深い。これは木造の住宅・建築分野こそ、工業化と情報化により大きく効率化を図る余地が残されているからだと見ることができる。
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