建材 |  2018.3.16

BXカネシン、制震機能をプラスした筋かい金物を本格展開

施工性などを武器に標準採用目指す

建築金物メーカーのBXカネシン(東京都葛飾区、二村一久代表取締役)は、2017年10月、耐震性と制震機能を併せ持つ「DIT制震筋かい金物」を発売した。低コストかつ容易に耐震性を上げながら、制震機能もプラスできる製品として、木造住宅の地震対策に貢献していきたい考え。

2016年4月の熊本地震後、様々な企業が繰り返しの地震に強い制震装置の開発や既存製品のPR強化を進めている。しかし、製品によっては特殊な施工を必要としたり、コストが高いなど、導入に向けた課題があるのが実情だ。

BXカネシンは、第一工業大学と横浜国立大学が共同開発した、耐震性と制震機能を備えた「DIT制震筋かい金物」を2017年10月に全国発売した。ハウスプラス確認検査による、壁倍率2倍用筋かい金物として評定も取得している。同製品は、ベースの金属を二重構造にして上下6ヶ所にブリッジを設けた構造になっている。地震が生じると、地震の揺れで引っ張られた筋かいがブリッジ部の変形によって粘り強く引き止められる。結果、筋かいの損傷が抑えられるという。加えて、ブリッジの内部に充填した高減衰ゴムが地震エネルギーを効率的に吸収し、筋かいの損傷を抑える制震機能の役割を果たす。ブリッジと高減衰ゴムが最小限に筋かいの損傷を抑えることで、繰り返しの地震にも耐えられるようになる。最大で、建物の揺れを約75%軽減するという。開発者である第一工業大学・建築デザイン学科の古田智基教授は、「筋かい用金物に高減衰ゴムを組み合わせて製品化したのは初めての試み。高減衰ゴムを使用することで筋かい金物の変形力が高まり、エネルギーを効率的に吸収できるようになる」と話す。

DIT筋かい制震金物を共同開発した古田教授。「筋かい金物と高減衰ゴムをハイブリッドした製品は国内で初めて」
内使いと外使いの2種類を用意している。一般的な住宅1棟あたり使用数にもよるが10万円程度のコストで済むという

コストは1棟当たり10万円程度 独自のシミュレーションソフトも開発

同製品は、一般的な筋かい金物と同様にビス止めするだけで施工が完了する。設置の制約がないため設計方法を変える必要もなく、構造材に特殊な加工を施す必要もないという。本体に加えて、柱側と筋交い側のビスのみといった少ない部品で施工できることも特長のひとつ。こうした施工性の高さはコスト低減にも貢献する。「平均的な住宅であれば使用数にもよるが1棟あたり10万円程度で済むのではないか」(古田教授)としている。加えて、高減衰ゴムについてはビル用積層ゴムと同じく促進劣化試験によって60年の耐久性を確認しており、60年間メンテナンスの必要がないという。また、筋かいの内側に取り付ける内使いと外側に取り付ける外使いの2種類を用意しているが、「ホールダウン金物との干渉を考慮して内使いを推奨している」(BXカネシン)。現在、同製品に対応した効果測定シミュレーションソフトも独自に開発している。「どの部分に何ヶ所設置した場合にどの程度の効果が出るのかを可視化できる」(BXカネシン)。

古田教授によると、筋かいの使用が多い九州地方の住宅で、すでに多くの採用実績があるという。BXカネシンは、「容易に耐震性・制震機能をもたらすアイテムとして普及させていきたい」考えだ。