2017.12.19

動き出す、リノベーションまちづくり

国土交通省と民都機構がファンド支援事業で後押し

古い建物を改修し新しい機能を付与するリノベーションを起点に、まちの再生を図る取り組みが広がりそうだ。仕掛人は国土交通省と(一財)民間都市開発推進機構(民都機構)。

地域の金融機関と連携しファンドを組成、地域の課題解決に役立つリノベーション計画に出資する。事業者の資金調達を支援することで、リノベーションによるまちの再生を促進していきたい考え。すでにファンドが立ち上がった地域もあり、地域の既存建物ストックの改修を担う住宅事業者にとって見逃せない動きになりそうだ。

縮退する社会の中で疲弊した地域の再生に向け、遊休不動産をリノベーションの手法で再生し、都市型産業の集積を行うリノベーションまちづくりが広がりそうだ。

リノベーションまちづくりを推進する国土交通省 都市局 まちづくり推進課は「建築物の再生を起爆剤にして、エリアに新しいコンテンツを生み出し、エリア価値の向上や雇用を生み出していきたい」としている。

まちの再生に関しては(一財)民間都市開発推進機構(民都機構)を通じ、2007年に「まち再生出資」を立ち上げ、市町村が定める都市再生整備計画などの区域において行われる優良な民間都市開発事業に出資、支援してきた。これまでに全国で大規模な再開発事業を中心に44件の支援実績がある。そうしたなか、2015年に北九州市小倉北区の遊休不動産をゲストハウスと飲食店などにリニューアル・コンバージョンする事業案件(タンガテーブルプロジェクト)が持ち上がった。当時、小倉北区は遊休不動産の増加が深刻化しており、店舗だけでなくオフィスにも大量の空室が発生し、中心市街地の経済活動の停滞が危惧されていた。そうしたなか、地元の事業者からリノベーションによってエリア価値の向上を図ろうという提案がなされたのだ。


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