2017.11.29

ポラスグループ 中央住宅、千葉県船橋市の風致地区で全73戸の分譲住宅の販売を開始

周辺の自然環境を活かした都市型庭園構想を具体化

ポラスグループの中央住宅は、千葉県船橋市の風致地区において、全73戸の分譲住宅「リーズン船橋・馬込沢 プレシャスガーデン」の販売を開始した。風致地区でこれだけの規模の分譲住宅を開発する事例は全国的に見ても珍しく、周辺の自然環境を活かしながら、「都市型庭園構想」を具体化していく方針だ。


緑溢れる住宅が特徴の「リーズン船橋・馬込沢 プレシャスガーデン」。野菜やハーブを育てることができる菜園「ポタジェ」を庭に設置
緑溢れる住宅が特徴の「リーズン船橋・馬込沢 プレシャスガーデン」。野菜やハーブを育てることができる菜園「ポタジェ」を庭に設置

「リーズン船橋・馬込沢 プレシャスガーデン」の開発地は、東武アーバンパークライン「馬込沢」駅から徒歩10分という好立地にありながら、自然豊かな環境が残る場所。周辺には、徒歩1分の場所には「藤原市民の森」があり、約2万1480平方メートルの樹林地が広がる。そのほか、徒歩28分の場所には「船橋市運動公園」もある。

自然豊かな場所であることもあり、第一種低層住居専用地域だけでなく、風致地区にも指定されている。風致地区であるため、分譲住宅の開発に当たっては―・ 建物の高さが10メートルを超えないこと・建ぺい率40%以下とすること・ 建物は道路から2メートル以上、その他の境界から1メートル以上離すこと・ 周囲の景観(街並み)と調和させること・緑地率10%以上―といった要件をクリアすることが求められる。加えて、今回の開発では、敷地面積を最低135平方メートル確保することも要件のひとつになっている。

こうした厳しい条件が課せられることから、風致地区で70棟以上のビッグプロジェクトが行われることは全国的にみても珍しい。

中央住宅の戸建分譲設計本部設計二部企画設計課の鈴木征道課長は、「規制を逆にメリットと捉え、緑が溢れ、経年とともに価値が向上していくような街づくりを実現していきたい」と語る。

各住戸ともに敷地面積135平方メートル以上、緑地率10%を確保
各住戸ともに敷地面積135平方メートル以上、緑地率10%を確保
インテリアデザインは、あたたかみを感じるナチュラルな雰囲気に
インテリアデザインは、あたたかみを感じるナチュラルな雰囲気に

贅沢な緑化スペースを各住戸で確保

風致地区の規制をクリアするためには、まず道路から建物までの距離を2メートル以上離し、なおかつその他の境界線から1メートル以上離す必要がある。

この規制をクリアするように住戸を配置し、加えて各住戸の敷地面積を135平方メートル以上にすることで、ゆったりとした印象の街並み景観を実現する。

さらに、各住戸は緑地率を10%以上にする必要がある。しかも、単に芝生などの地被植物で広い面積を緑化するだけでなく、ある程度の樹冠を持つ樹木などを植栽することが求められる。同社戸建分譲設計本部の設計二部営業企画設計課の齋藤亮太氏によると、「実際の設計において10%以上という緑化を施すことは想像以上に難しい」という。

さらに、野菜やハーブを育てることができる菜園「ポタジェ」を庭に設置、子どもと一緒に育てて収穫することで食育にも貢献する。

街並み景観という点では、各住戸が門灯やガーデンライトでライトアップする「灯りのいえなみ協定」を導入し、夜の街並みを美しく演出するとともに、街全体の防犯性も高める。省電力のため照明にはLEDを採用する計画だ。

4種類の外観スタイルで個性と調和を両立

各住戸の外観デザインには、緑に映える4つのスタイルを用意。1期販売分の建物では、赤い屋根に白壁のレンガ調のサイディングが地中海の邸宅をイメージさせるスパニッシュスタイルと、切り妻屋根をベースに、スウェーデンを想わせる雰囲気の木目と石目調のサイディングを施した北欧スタイルという、2つの外観デザインを採用している。

2期販売分の建物の外観は、木目と石目調のサイディング、シックな色合いとスタイリッシュな造りがシャープな印象を与える和モダンスタイルとなっている。3期販売分の建物は、オレンジの屋根と石目・石積みのサイディングが爽やかな南欧の邸宅をイメージさせるフレンチスタイルを採用。

この4つの外観ごとにシンボルツリーを設定する。スパニッシュスタイルはツリバナ、北欧スタイルはカツラ、和モダンスタイルはヤマボウシ、フレンチスタイルはヒメシャラをそれぞれシンボルツリーとして、4つの外観とシンボルツリーで調和しつつも個性を発揮する街なみを演出する。

販売時の説明も丁寧に販売後のフォローも実施

風致地区の厳しい規制をクリアしつつ、周辺の緑豊かな環境を戸建分譲地の開発によって、さらに価値を高めていこうという「リーズン船橋・馬込沢 プレシャスガーデン」だが、経年とともに緑が育ち、街並み景観が熟成され、価値が高まっていくような街づくりにしていくためには、入居後の管理なども重要になる。

そこで、同社では「販売時にこの街のコンセプトなどをしっかりと説明し、理解してもらったうえで住んでもらえるようにしていきたい」(鈴木課長)と考えている。 さらに、引き渡し後には住民を対象として、植栽管理に関するワークショップを無料で開催し、植栽管理に関する意識の向上とコミュニティの形成を促していく計画だ。

第一期販売を11月11日からスタートさせているが、来年1月に二期、5月に三期の販売を行っていく予定。

販売価格については、敷地面積135平方メートル以上、なおかつ全棟2台のカースペースを確保しているにも関わらず、4000万円を超えない価格帯で販売していくという。