住宅分野のノウハウ活かし 新規需要を開拓
伊藤忠建材 柴田敏晶 代表取締役社長
中長期的には、新設住宅着工戸数が減少していくなかで、流通業者にも変革が求められている。伊藤忠建材の柴田敏晶代表取締役社長は、「住宅分野のノウハウを活かして新規分野の開拓を目指す。やることはたくさんある。新設住宅着工戸数が減少していくからと言って委縮している場合ではない」と話す。
──現在の住宅市場をどのように見ていますか。
想定以上に良いというのが実感です。2017年の中頃から新設住宅着工戸数は落ちていくと思っていましたが、今期6月までの新設住宅着工戸数を見ると前年同期比で2%増の47万3000戸と、年間ベースに換算すると98〜99万戸のペースで推移しています。
住宅市場が好調な理由は2つあると思います。一つは景気が非常に良いことが上げられます。今年のGDPは、前年比プラス1%以上であると予測されています。また、今期上期の決算も7割以上の上場企業が増益でした。ということは給料が上がる可能性も高い。有効求人倍率も1.51倍と、非常に高い水準にあります。
もう一つの理由は、低金利政策により、住宅ローン金利がかつてないほど低水準にあるということです。さらに、富裕層が資産を増やす目的で、賃貸住宅に投資を始めていることもプラスアルファとなっています。
新設住宅着工の内訳をみると、持ち家や分譲マンションは、前年同期比で減少しているのに対して、戸建分譲と、賃貸住宅が伸び、全体をけん引しているという形です。こうした状況はもう少し続くのではないでしょうか。
着工戸数の減少は不可避も悲観的になりすぎない
──中長期的には、新設住宅着工戸数は減少していくと見られています。
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