林野庁、公共建築の木造化を加速
木材利用促進法の基本方針にCLTなどを追加 2020年に木造率3割超に
林野庁は「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」の一部改正案を公表しパブリックコメントの募集を開始した。CLTや木質耐火部材などの新たな木質部材を積極活用することなどを明記し公共建築の木造化を加速したい考えだ。
国は利用期を迎えている国産材の有効活用などを目的に2010年5月、公共建築物等木材利用促進法を施行した。3階建て程度の低層の公共建築物について原則としてすべて木造化を図ることを定めた。同法の規定を受けて国は、具体的な木材利用の取り組み方針などを「公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」としてまとめた。また、2012年には47すべての都道府県で基本方針を策定。2016年末で1534の市町村(88%)が基本方針を策定している。同法の施行から6年が経ち公共建築の木造化は前進している。2011年度に着工した公共建築の木造率(延べ床面積ベース)8.7%に対して、2015年度は11.7%まで増加。初めて10%を超えた前年度(10.4%)から、1.3ポイント増加した。また、同法により積極的に木造化を推進するとされている低層の公共建築の木造率が2011年度に17.9%であったのに対して、2015年度には26.0%まで増加している。
近年、木造建築を建てやすくする環境整備も進んでいる。林野庁では、こうした状況を同基本方針に反映することで、公共建築の木造化をさらに促進していきたい方針だ。基本方針の見直しにより、公共建築の木造化のスピードアップを図り、2020年度までに低層の公共建築の木造率32.0%の達成を目指す。
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