ナスタ、福岡市で宅配ボックスの運用実験
82.3%がストレスの軽減を実感
ナスタは同社の宅配ボックスを使用した運用実験の結果を公表した。宅配ボックスの設置により宅配ストレスが軽減できるとの見方を示した。加えて、7月よりオルビス(東京都品川区、小林琢磨代表取締役社長)と協業し宅配ボックスを利用した荷物の無人受け取り体験サービスの実施もスタートする。
再配達問題を解消するアイテムの一つとして宅配ボックスが注目を集める中、ナスタは宅配ボックスが物流課題の根本的な解決に加えて、荷物を受け取る側のストレス解消による生活の質の向上に繋がるとして、福岡市と日本郵便の協力の下、昨年より運用実験を実施。このほど実験結果を発表した。
運用実験は福岡市内の戸建住宅居住者1000世帯を対象に3カ月間、同社の戸建て用宅配ボックス「スマポ」を無償で配布し、設置前後の「宅配ストレス」を測定するというもの。住人に宅配ボックス設置前後でアンケート調査を実施し、日本産業ストレス学会前理事長の夏目誠氏の監修の下、ストレスを数値化した。
運用実験の結果、宅配ボックスを設置した世帯の内82.3%の人が「宅配ストレスが減った」と回答した。中でも荷物の受け取り頻度が「ほぼ毎日」だった世帯で「減った」と答える人の割合が高くなった。また、宅配ボックス設置前のアンケート調査で宅配ストレスとして最も多かった「楽しみにしていた荷物やどうしても受け取りたかった荷物が指定した日に受け取れなかった」という項目では、宅配ボックスの設置によってストレスの数値が設置前の83.5%から13.6%にまで減少した。「今後も宅配ボックスは必要だと思いますか?」という問いには45.6%の人が「絶対に必要」、45.8%の人が「必要」と回答し、特に若い世代ほど「絶対に必要」と答える人が多かった。
運用実験の結果は、同社のWebサイトで公開している。今後は利用者の声を基に商品やサービスの質を向上させる。運用実験開始時、広報室部長の平山浩哉氏は「まだまだ宅配ボックス自体を知らない人や使い方がわからない人がいる。運用実験が認知度向上にもつながれば」と話しており、結果の公表を通して宅配ボックスの認知度も高めていきたい考えだ。
オルビスと協業で無人受け取り体験サービス
「住むを良く」を理念に掲げる同社は、これまで以上に人々の生活を便利で快適にする製品・サービスを提供するため、新たに化粧品の開発・販売などを行うオルビスと協業し宅配ボックスを利用した荷物の無人受け取り体験サービスを実施する。7月から3カ月間、オルビスの顧客5000人にオリジナルの宅配ボックスを配布し、通販利用者のストレス軽減と再配達の削減に与える効果を検証する。サービス終了後に実施するアンケート調査を基に将来的なサービスを構築する考えだ。
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