傷や日焼けから守る木材製品用梱包シート
国内であまり活用されていない木材製品用の梱包シートが発売された。木材製品の海外輸出拡大が進むなか、その価値向上を後押しする。木材製品及び製材品の梱包資材販売会社であるランバーラップジャパン合同会社(東京都世田谷区、瓦谷知則代表)が発売したもので、製材など木材製品の輸送時に製品の劣化などを防ぐ。
同社によると、他国に比べわが国の梱包が劣っているケースが多いという。その原因は輸送距離の長さだ。例えば、米国では森がある内陸部からトラックや貨車、船などで遠方の沿岸部まで運び、遠方の他国へ出荷する。その途中で一時保管も行われるため、製品の劣化対策としてしっかりとした梱包が行なわれる。また、シートには製材事業者の企業ロゴやメッセージが印刷されるなどPRにも使われている。一方、日本では国内の流通の距離が短く、遠くでも数百kmレベルであり、ウイング車両で雨風も防ぐことができるため、農業用の薄いポリシートなどで軽く梱包することがほとんどだ。
日本政府は木材製品の輸出拡大を掲げ、林産物輸出額を2023年度の621億円から25年までに718億円、30年までに1660億円に拡大させる方針を打ち出しており、その拡大のためには丸太中心の輸出だけでなく、製材や合板などの付加価値の高い木材製品の促進が重要となっている。こうしたなかで実際に、輸出を拡大する企業も出始めている。
しかし、梱包がしっかりしていなければ傷や汚れ、日焼けなど劣化のリスクが高まり、同社では「他国製品との競争力で劣り、場合によっては買いたたかれる可能性もある」(瓦谷代表)と指摘する。
「ランバーラップ」は、リサイクル可能なポリプロピレン製で、裏面が黒色で日焼けによる木材製品の経年劣化を低減する。また木材輸送時の一般的なバンドルサイズに適応する幅広シートで、観音開き加工を施したうえでロール形状にすることで梱包作業の効率の向上を図った。長さ100mの巻きロールで、40フィートコンテナ1本に積載する木材製品の梱包が可能で、経済的にも優れる。
製品は2サイズを揃え、シートサイズ幅2500mm×100mの「ランバーラップ250」が3万8000円/本、幅3140mm×100mの「ランバーラップ314」が4万5000円/本。ともに受注生産で納期は約1カ月。社名などの印刷や、ボックス型の制作などの要望にも応じる。今後、主に製材事業者を対象に販売していく。
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