New   2026.11.2

トグルホールディングス、東証グロース市場に上場

市場に出ない「99%の土地」をAIで開発用地に

トグルホールディングスは10月30日、東京証券取引所グロース市場に新規上場した。同社は2020年に設立し、不動産開発事業「Land Creation」を展開している。2023年9月期から2027年9月期にかけて、売上高の年平均成長率は71.4%、営業利益は94.8%に達する見通しを示した。

同社の「ビジネスで最も重要」と位置付けているのが、土地流通の構造だ。約230万筆の土地のうち、売り物として市場に出るのは年間約4万件と全体の1%にとどまる。デベロッパーや買取再販会社はこの1%を取り合っており、価格競争に陥りやすい。同社が狙うのは、残る99%の、そもそも誰も売ろうとしていない土地だ。単独では普通の土地でも、隣接地と組み合わせれば建てられる面積が増え、開発用地としての価値が高まる。こうした土地を洗い出し、地権者に直接提案する。「取り合う対象が情報として存在しないため、競争はほぼ発生しない」(同社 伊藤嘉盛代表取締役CEO)という。

他社が参入しにくい理由として挙げたのが、テクノロジーと営業の実行力の両立だ。法務局の公図などは形が合わず、そのままでは建築の計算に使えないため、複数の地図データを集めて正確な地図をつくり、建築計算に必要なデータを重ねた。建築基準法に基づき建ぺい率や容積率、道路の要件、斜線制限などを算出する建築アルゴリズムも自社で開発し、ワンクリックで建築に必要なデータを出力できる。天空率のように行政によって解釈が分かれる規定は、行政と解釈をすり合わせたうえで組み込んでいるという。

中長期の成長軸に据えるのが、業務のデータを記録し、繰り返しの業務を人とAIエージェントが一緒に担う仕組みに変える基盤「Agentic Platform」だ。今後はM&Aを通じて建築や金融など不動産の周辺産業へ展開する方針で、2030年には「Land Creation」と「Agentic Platform」の利益の比率を2対1、ないしは1対1まで近づけていく考えだ。

事業説明を行う伊藤嘉盛代表取締役CEO