New   2026.11.2

フジエテキスタイル、日本のアパレル技術を活かしたテキスタイルを発表

フジエテキスタイルは、ハイエンド層向けのテキスタイルコレクション「PROFILE vol.6」を発売した。

ここ10年ほど、インテリアのテキスタイルは無地タイプが人気だ。今回のコレクションでは、アパレル生地の生産で高い技術を持つ国内の工場などと協力し、糸の撚りや染め、加工方法から試行錯誤し、無地でありながら高い質感を持つテキスタイルを生み出した。

例えば、世界トップクラスの織物産地のひとつである尾州(愛知県)には、毛織物の流れを汲む意匠撚糸の技術が根付いている。糸の撚り、形状、染めの組み合わせでさまざまな糸を生み出すことができる。フジエテキスタイルは尾州の職人と対話しながら、糸の中で色をどう設計しコントロールするかを企画した。

こうした協働のなか生まれた「オリカスリ」は、形状や染色から作り込んだループ状の太い糸をふんだんに織り込んだ、糸が主役のテキスタイルだ。リング糸のタテヨコ一本一本には、手間のかかる染色技法・絣(かすり)染めを施した。絣糸ならではの多色のグラデーションが奥行きと変化を生み出し、洗練された表情をつくり上げている。

尾州の意匠撚糸の技術を活かした「オリカスリ」。多色のグラデーションが奥行きと変化を生み出す

京都の和装の職人技を活かしたテキスタイルもラインアップした。着物の世界で受け継がれてきた金彩銀彩の技術を、着物の表現に寄り過ぎず、現代風なデザインでインテリアのテキスタイルに落とし込んだ。グラフィックデザイナーの小林一毅氏に図案を依頼し、あえて意味を持たせないジオメトリック(幾何学)な形を採用した。

ベース生地は生成りの温かみを残した綿麻、漆のような独時の光沢感を持つ黒顔料は京都の特殊プリント工場が手作業でプリント、焼箔は京友禅の金彩銀彩の技法で染匠(せんしょう)が手作業で施している。一点ごとに表情が異なり、時間の経過とともに味わいが深まっていく、アートのようなテキスタイルだ。

「イバショ」は京友禅の技法を活かしたファブリック。幾何学模様が現代風なデザイン

フジエテキスタイルは、全国の優れた技術を持つ工場などを繋ぎ、共にものづくりを行っている。例えば「ギンガ」は、シルキーな織物をルーツとする伊勢崎(群馬県)と、最新のスパッタリング技術を持つ愛知県、2つの産地を跨ぎ、それぞれの得意な技術を掛け合わせてつくられた。

クリエイティブディレクターの室脇崇宏氏は、「日本各地の高い技術を持つ工場や職人の架け橋となり、従来にはない新しいインテリアテキスタイルを企画した。近年は国内のアパレル産業の衰退に伴い工場の廃業も深刻化しているが、こうした新たなテキスタイルの生産を増やすことで、産地の持続可能性と売上向上に貢献していきたい」と語る。

日本全国の産地にフォーカスした「PROFILE vol.6」は、私たちが改めて日本のものづくりの真価に目を向けるきっかけとなるコレクションだ。

「ギンガ」は繊細なオーガンジー生地にナノレベルのステンレススパッタリング加工を施し、全体にキャッチジワを入れて仕上げた透け感のある生地