坂茂氏設計の「DLT木造仮設住宅」が2025年度グッドデザイン大賞に
(公財)日本デザイン振興会は10月15日、2025年度グッドデザイン賞受賞結果を発表。グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)に、能登半島地震における仮設住宅の建設で、解体せずに恒久的に使い続けられる仮設住宅のモデルを実現した仮設住宅「DLT木造仮設住宅」を選出した。受賞者は、設計を担当した坂茂建築設計(東京都世田谷区)、施工を担った家元(石川県金沢市)、DLTの材料供給・製造を担った長谷川萬治商店(長谷萬、東京都江東区)。
10月15日、東京ミッドタウンで開かれたグッドデザイン大賞発表会で、齋藤精一 審査員長は、建築家の坂 茂氏が約30年以上前から国内外で、大規模災害、紛争などで家を失った人々に対して、仮設住宅や難民用シェルターなどを迅速にローコストにつくり提供してきた活動に敬意を表し、「約30年前からの取り組みが現代に適応し、進化している。審査員の全会一致で大賞として選出された」と述べた。
坂 茂氏は、「DLT仮設住宅は、恒久仮設住宅として、住民が快適に住める木造住宅であり、長谷萬が開発を続けてきた、一般流通材をダボで一体化し木面板を形成するDLT技術を活用している。CLTとは異なり接着剤を使わず、地元の木材と特殊な技術で簡単に組み立てられ、約3ヶ月で建設することができる。仮設住宅でも住み心地がよく、その後解体しても廃材を出さず、環境への負荷を最小限に抑える取り組みが重要だ」とあいさつした。
長谷萬の長谷川泰治 代表取締役 執行役員社長は、「木の新しい技術を用いた仮設住宅がグッドデザイン大賞に選ばれたことを大変うれしく思う。いよいよ本当に“木の時代”がやってきたなと感じている。受賞を機に木材技術をさらに発展させ、豊かな社会づくりに貢献していきたい」と述べた。
今回のグッドデザイン賞では、5225件の審査対象の中から1619件の受賞を決定。特に優れたデザインとして評価された「グッドデザイン・ベスト100」の中から、金賞を含む33件を選出。さらに金賞から、最高賞である「グッドデザイン大賞」に「DLT木造仮設住宅」が選出された。

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