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2022.5.6

現場採寸無しでサイディングをプレカット 生産性を2倍

スタンダード、ウッドステーションが初めの試み

スタンダード(静岡県沼津市・有田晃一社長)とウッドステーション(千葉県千葉市・黒岩征社長)は、大型パネルとサイディングのプレカットを組み合わせることで、住宅建築の生産性を高めるための新たなチャレンジを行った。


ウッドステーションでは、構造材、面材、間柱、断熱材、サッシ、一次防水などを一体化したパネルを工場で製造し、提供している。住宅会社の要望に応じて受託加工を行うサービスで、1日で上棟まで行えるため住宅建築を大幅に効率化できる。最近では3時間ほどで上棟まで終わってしまう現場も増えており、飛躍的に生産性を向上するものとして、さらに注目度が高まってきている。

一方、スタンダードは静岡県の東部エリアを中心として、地域ナンバーワンを目指す工務店。これからの人手不足などを視野に入れながら、生産性を高める取り組みを徹底的に進めており、ウッドステーションのパネルを用いて1日で3棟を同時に上棟するといった取り組みも実践してきた。

また、外国人労働者の積極的な活用や、より施工が簡単なピン工法への変更なども行おうとしている。そして、新たに現場採寸無しでプレカットしたサイディングの活用も開始。静岡県沼津市の現場で第一号物件を施工した。

現場での採寸無しでサイディングのプレカットを実現

現場加工によってムリやムダが発生 プレカットでも現場採寸が必須

サイディングについては、現場で採寸を行いながらカットし施工することが一般的だ。施工者は採寸とカット、施工という作業を行うことになる。現場でカットすると粉塵が発生し、騒音問題などに発展することもある。また、廃棄物も発生するほか、余分に材料を発注するためコスト面でもロスが生じる。

サイディングをカットするための丸ノコの刃が劣化してくると、切断の際にサイディングの端などを破損することもあるという。そのことを踏まえて、目立つ部分に貼るサイディングをカットする際には新しい刃を使う施工業者もいるが、全ての業者がそこまで気を使った施工を行うとも限らない。現場で切断すると、施工業者によって施工品質のバラつきが出てしまう懸念もあるのだ。

こうした懸念を払しょくするために、サイディングを工場でプレカットして現場に納めるサービスがある。しかし、プレカットを行う場合、現場での採寸が不可欠となる。図面などをもとに寸法を算出したとしても、現場で開口部の位置などが変更になっていることが多いため、正確な採寸ができないからだ。しかし、現場採寸を行おうとすると、工程がひとつ増えることになり、「それなら効率性は現場加工とあまり変わらない」という声もある。

スタンダードでは、現場でサイディングの採寸・カットを行っているが、「1棟当たり4万円程度のサイディングの廃棄物が発生している。当社は年間120棟ほど建築しているので、それなりの額になる」(有田社長)という。また、現状の体制では月に1班で4棟ほどしかサイディング施工を行うことができず、さらなる施工性の向上に向けた術を探っていた。

同社でサイディング施工を統括している高浜由来氏は、「当社のように100棟を超える場合、生産性を高めようとするとサイディングのプレカットが不可欠ではないでしょうか」と語る。

サイディング施工については、天候の影響を大きく受けることもあり、工程が計画通りに進まないことも多い。結果として、生産性の向上を邪魔するボトルネックになっていることも少なくない。

スタンダードでサイディングの施工を統括する高浜氏はプレカットの必要を語る

月4棟を8棟へ サイディング施工の時短の実現へ

そこで、今回ウッドステーションが提案する現場採寸無しのプレカットを採用した。ウッドステーションが提供する大型パネルの場合、前述したように工場で開口部まで施工されたパネルを製造するため、サイディングをプレカットするための寸法情報を事前に取得できる。ウッドステーションの情報を、サイディングのプレカットを行う工場とデータ連携させることで、簡単に現場採寸することなくプレカットを行える。

スタンダードの有田社長によると、サイディングのプレカットを導入することで、これまで月4棟が限界であったものが、月8棟にまでサイディング施工の効率を改善できると見込んでいるという。これによって施工業者も多くの現場をこなすことが可能になり、その分だけ報酬を増やすこともできるようになる。

スタンダードでは、「施工の仕方や足場の組み方、さらには住宅のデザインのあり方などまで踏まえて、プレカット導入の効果を最大化する術を検討していきたい」(有田社長)としており、例えば屋上にサイディングを運搬し、2階部分の施工を行うといったことも考えていきたい方針だ。  サイディングの厚手化によって材料の重量が増える一方で、施工者の高齢化も進んでいるだけに、さらに注目度が高まりそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.640(2022年8・9号)

特集:

ハウジング・トリビューンは、住宅事業者の商品開発担当者などを対象に、今後の住宅商品開発の方向性を探るアンケート調査を実施した。

「省エネ」、「再生可能エネルギー活用」、「木材利用」、「リサイクル」、「蓄エネ」、「防災・減災」、「温熱環境」、「空気環境」、「在宅ワーク」、「非接触」、「IoT・IT」、「家事支援」、「高齢者対応」、「子育て支援」、「リフォーム対応」、「長寿命化」、「高意匠」、「省施工」、「DIY」、「その他」という19項目の中から、商品開発を進めていく上で注力したいテーマを3つ選択してもらった。

また、その中でも特に注力したいテーマと、なぜそのテーマを選択したのか理由を聞いた。
アンケート結果から、あるべき未来の住宅像が浮き彫りになった。

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