“キレイ力”が高まる住まい 女性の感性・嗜好に応える住まい
パナホーム資産活用企画開発部 集合住宅グループ 藤井加奈子 氏・パナホームラシーネ研究所所長 小松紀美 氏 インタビュー
「トキメキが生まれる暮らし」を提案 住み心地の良さが女性を美しく
パナホームは2012年から女性視点でつくる賃貸住宅のコンセプト「Lacine(ラシーネ)」を全国展開している。
同コンセプトの研究基盤として設立されたラシーネ研究所の小松所長は、「ラシーネブランドの賃貸住宅には、女性のトキメキを生み出す様々な工夫を盛り込んでいます。
『早く家に帰りたい』『くつろげる』と感じてもらえる住み心地の良さが、女性を心身ともに元気にし、結果的に美しさを引き出すことにもつながると考えています」と話す。
──ラシーネのコンセプト、取り組みについて教えてください。
小松 ラシーネは、女性の感性・嗜好に応える賃貸住宅のコンセプトです。近年、人々のライフスタイルが多様化する中で賃貸住宅に対するニーズも多様化してきています。当社では、賃貸住宅のコンセプトを新たに構築する上で、住まいやくらしに強いこだわりを持つ女性に着目しました。女性たちのニーズに応えられる、住み心地のいい賃貸住宅を追求することで、結果として女性だけでなく、より多くの入居者のニーズにも応えられ、競争力の高い賃貸住宅を実現できると考えています。
ラシーネの全国展開に先立ち、「ラシーネ井の頭」(東京都三鷹市)を2011年6月にオープンし、単身女性を対象に2週間から4週間の短期入居体験を実施しました。ラシーネ井の頭の運営を通し人気を集める賃貸住宅の付加価値について様々な分析・検証を行いました。200人以上に上る女性の短期入居者の声から見えてきたのは、多くの女性はくらしの中に「トキメキ」を求めているということです。くらしの中にトキメキを生むためには、単に「キッチンの使い勝手がいい」とか、「意匠性に優れた内装材を用いている」といったことだけを満たせばいいわけではありません。住まいやくらしに関する不満や困り事を解消し、さらに上質感や感性的な価値の高さ、住まい全体として五感に響く住み心地の良さといったものを追求していくことが求められます。
ラシーネの全国展開にあたっては、「ラシーネ井の頭」の運営で得たノウハウを商品や事業スキームにフィードバックし、くらしの中にトキメキが生まれるための様々な工夫を盛り込んでいます。「早く家に帰りたい」「くつろげる」と感じてもらえる住み心地の良さが女性を心身ともに元気にし、結果的に美しさを引き出すことにもつながると考えています。
実際にラシーネの賃貸住宅でくらす居住者にヒアリングを行ったところ、「自分の好みに合わせてインテリアを飾れるので楽しい。早く家に帰ってくつろぎたい」「ラシーネに入居後、会社の同僚から『明るくなったね』と言われた」といったうれしい声を多くいただいています。
──くらしの中にトキメキを生む工夫とは、具体的にどのようなものですか。
藤井 当社がラシーネを近畿地区で展開するため、本社ビル(大阪府豊中市)の1階に開設しているモデルルーム「ラシーネ・テーマスタジオ」のDINKS向け1LDKプランのモデルルーム(延床面積約49平方メートル)を例に説明させていただきます。このプランのくらしテーマは「夫婦の時間と一人の時間を楽しむくらし」です。夫婦が一緒に楽しく料理や身支度ができる工夫を盛り込むとともに、夫婦それぞれが一人の時間も楽しめるように配慮しています。
その工夫の一つは、ワイドな対面式カウンターを備えたオープンタイプのキッチンです。リビング空間全体をよりすっきりと広く感じてもらうためです。また、夫婦間のコミュニケーションを促す効果が期待できます。休日には、夫婦二人で料理を作ることを楽しんだり、キッチンを挟んで会話をしたりといったくらし方を提案しています。朝の忙しい時間には、さっと食べて、さっと片付けることも可能です。収納に関する要望も非常に多いことから、まとめ買いしたものをたっぷりと収納できるパントリーも壁面に集中して設置しています。洗面室には、女性の声を反映して開発した洗面ユニット「スマート・ウィズ洗面」を採用しています。慌ただしい朝の身支度も二人同時に使えるように横幅を確保しています。ご主人が歯磨きやひげそりをしている横で、奥様はゆっくりお化粧をするといった使い方が可能です。身支度の時間さえも楽しんでもらえるように配慮しました。化粧道具やドライヤーなどが置けるカウンターや収納なども充実しています。また、この洗面空間には、顔色を素敵に引き立てるLED照明を採用しています。美しさを引き立てる照明で肌色が引き立つため、メイクがしやすくなります。
くらしの質を向上させる様々な工夫も施しています。その一つが、寝室と洗面室をつなぐウォークスルークローゼットです。クローゼットを通り抜けられるようにすることで、居室全体をつなぐコンパクトで効率的な動線を確保しています。寝室から洗面への動線上にウォークスルークローゼットを設置することで、忙しい朝でもさっと身支度ができます。収納の使い方として「ご主人と奥様で分けて収納する」「夏物と冬物を分けて収納する」といったクローゼット通りを中心に左右に収納面をわけて使う、便利な使い方も可能です。
快適なくらしを送る上では、きれいな空気環境も重要な要素です。そこで、玄関やリビング、寝室などには、調湿・脱臭機能のある内装壁材を採用しています。また、キッチンや玄関などには、臭いを脱臭するナノイー発生機を設置することをすすめています。
ラシーネでは多くの女性が望むくらしに関するニーズにも積極的に応えています。とくに要望として多いのは、「やすらげる空間が欲しい」というものです。そこで、リビングや寝室には、調光機能を搭載したLED照明を採用しています。生活シーンに合わせた照明の明るさを調節できます。寝室には間接照明を多用することで、よりくつろげる空間を演出しています。浴室にもくつろげる工夫を施しました。集合住宅では大きめの、一坪サイズのバスルームを用意しています。加えて、浴室の壁面に、アロマオイルが垂らせる専用トレイとLED照明が一体化した間接照明「バスホタル」も提案しています。間接照明とアロマの香りとの相乗効果で、よりくつろいだ入浴時間を演出できます。「賃貸住宅でも自由に部屋を飾りたい」といった要望も多くあります。
そこでラシーネでは、可動棚付の化粧パネルも提案しています。フォトスタンドや観賞植物などは可動棚に、キッチンアイテムなどは可動フックにかけて飾るといった使い方ができます。お気に入りの小物を使って自由に楽しく部屋を飾ることが可能です。
「玄関の姿見鏡以外にも、部屋のクローゼットにも鏡が欲しい」という声も多く聞かれました。そこで、収納折戸に姿見鏡を一体化した「トールミラー付折戸」を提案しています。こうした工夫を積み重ねることで、住まい手のくらしの中にトキメキが生まれ、女性の美しさも引き出せると考えています。
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