壁-1グランプリ2020が開催
木造耐力壁トーナメントはアキュラ・チーム匠が優勝
10月25日、「壁-1グランプリ2020」がものつくり大学(埼玉県行田市)で開催された。
同グランプリは、2体の木造耐力壁の足元を固定した状態で桁を互いに引き合わせ、どちらが強いかを競う対戦型のトーナメント大会。専門学校、大学、ハウスメーカー、プレカット会社などが参加、耐力壁は金物を使用しない伝統的なものから、アイデアにあふれる革新的なものまでそれぞれの思想に基づいて設計される。
今年度はコロナ禍の状況を踏まえ、上限8チーム、一般見学不可など開催条件を変更しての開催。ものつくり大学・小野研究室、東北職業能力開発大学校、指定張力団網中組、アキュラ・チーム匠(東京大学木質材料研究室+篠原商店)、日本建築専門学校、リベンジャーズ(前田建設工業)、沖縄職業能力開発大学校、滋賀職業能力開発短期大学校の8チームが、引っ張り合いだけでなく施工性、デザイン性、耐震性、環境性などの項目で競い合った。
1回戦4試合、準決勝2試合を勝ち抜いた決勝は「指定張力団網中組」対「アキュラ・チーム匠」。両チームとも1回戦、準決勝と戦い傷みが激しかったものの、既定の変形の合計45cmでも破壊に至らず、変形の差でアキュラ・チーム匠がトーナメント優勝となった。また、総合優勝(材料の安価性、加工技術、組立方法、解体方法、デザイン・意匠性、耐震性の評点が最も高い壁)もアキュラ・チームが受賞したほか、6つの部門賞のうち3部門をアキュラ・チーム匠が受賞した。
宮沢俊哉・アキュラホーム社長が「本当に紙一重の勝負だった」と話す通り、8チームの「壁」は甲乙つけがたいものがあった。アキュラ・チーム匠の稲山正弘教授(東京大学大学院木質材料額研究室)は「強度が一番強かったのは滋賀能力開発短期大学校、粘りの面積から言えば指定張力団網中組が強かったし、デザインではケヤキを曲げて使う東北職業能力開発大学校の発想が素晴らしい。今年は運よく賞をいただけたと思っている」と語った。
壁-1グランプリ 2020 受賞チーム
総合優勝 | アキュラ・チーム匠 |
トーナメント優勝 | アキュラ・チーム匠 |
デザイン部門賞 | アキュラ・チーム匠 |
加工・施工部門賞 | アキュラ・チーム匠 |
環境部門賞 | 沖縄職業能力開発大学校 |
耐震部門賞 | 指定張力団網中組 |
オーディエンス部門 | アキュラ・チーム匠 |
審査員特別賞 | ものつくり大学・小野研究室 |
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