2020.10.27

壁-1グランプリ2020が開催

木造耐力壁トーナメントはアキュラ・チーム匠が優勝

10月25日、「壁-1グランプリ2020」がものつくり大学(埼玉県行田市)で開催された。

同グランプリは、2体の木造耐力壁の足元を固定した状態で桁を互いに引き合わせ、どちらが強いかを競う対戦型のトーナメント大会。専門学校、大学、ハウスメーカー、プレカット会社などが参加、耐力壁は金物を使用しない伝統的なものから、アイデアにあふれる革新的なものまでそれぞれの思想に基づいて設計される。

今年度はコロナ禍の状況を踏まえ、上限8チーム、一般見学不可など開催条件を変更しての開催。ものつくり大学・小野研究室、東北職業能力開発大学校、指定張力団網中組、アキュラ・チーム匠(東京大学木質材料研究室+篠原商店)、日本建築専門学校、リベンジャーズ(前田建設工業)、沖縄職業能力開発大学校、滋賀職業能力開発短期大学校の8チームが、引っ張り合いだけでなく施工性、デザイン性、耐震性、環境性などの項目で競い合った。

1回戦4試合、準決勝2試合を勝ち抜いた決勝は「指定張力団網中組」対「アキュラ・チーム匠」。両チームとも1回戦、準決勝と戦い傷みが激しかったものの、既定の変形の合計45cmでも破壊に至らず、変形の差でアキュラ・チーム匠がトーナメント優勝となった。また、総合優勝(材料の安価性、加工技術、組立方法、解体方法、デザイン・意匠性、耐震性の評点が最も高い壁)もアキュラ・チームが受賞したほか、6つの部門賞のうち3部門をアキュラ・チーム匠が受賞した。

宮沢俊哉・アキュラホーム社長が「本当に紙一重の勝負だった」と話す通り、8チームの「壁」は甲乙つけがたいものがあった。アキュラ・チーム匠の稲山正弘教授(東京大学大学院木質材料額研究室)は「強度が一番強かったのは滋賀能力開発短期大学校、粘りの面積から言えば指定張力団網中組が強かったし、デザインではケヤキを曲げて使う東北職業能力開発大学校の発想が素晴らしい。今年は運よく賞をいただけたと思っている」と語った。

壁-1グランプリ 2020 受賞チーム

総合優勝アキュラ・チーム匠
トーナメント優勝アキュラ・チーム匠
デザイン部門賞アキュラ・チーム匠
加工・施工部門賞アキュラ・チーム匠
環境部門賞沖縄職業能力開発大学校
耐震部門賞指定張力団網中組
オーディエンス部門アキュラ・チーム匠
審査員特別賞ものつくり大学・小野研究室
決勝戦の様子。左がアキュラ・チーム匠、右が指定張力団網中組の壁
総合優勝、トーナメント優勝などを受賞したアキュラ・チーム匠

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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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