2020.9.11

積水ハウス、新型のコロナの影響で実質200億円の利益損失

8月に入り戸建住宅の受注は好調に転じる

積水ハウスは、2021年1月期の第2四半期の決算概要を発表した。同社の仲井嘉浩社長は、新型コロナウイルスの影響で「実質200億円の営業利益が損失した」としたうえで、「今後1年間はwithコロナの状態が続くのではないか」と語った。その一方でオンライン営業などが奏功し、8月の戸建住宅の受注が前年同期比16%増となるなど、明るい兆しも見え始めている。


積水ハウスの第2四半期の売上高は同3.3%減の1兆1679億8600万円、営業利益は同18.0%減の926億4400万円となった。新型コロナウイルスの影響を受け、売上、利益ともに減少した。

同社の仲井社長は、「(新型コロナウイルスの影響で)営業利益が実質200億円減少した。200億円という金額は1カ月分の受注高に相当し、今後、どうやって取り返していくかが重要になる。今後の見通しとしては、1年間は今のような一進一退の状況が続くだろう。一番のリスクは2回目の緊急事態宣言が発令されること。オンライン営業などにも慣れてきているだけに、現状のようなwithコロナの状況が続くのであれば大きな問題はない」と語った。

セグメント別では、請負型ビジネスの売上高は同24.1%増となり、前年度同期の実績を上回っている。これは、2019年10月に連結子会社となった鴻池組の売上が加わったため。それ以外の請負事業の売上高は、戸建住宅が同21.9%減、賃貸住宅が同1.9%増となっており、戸建注文住宅の落ち込みが目立つ。

ただし、8月の戸建住宅の受注は、前年度同期から16%増加しており、オンラインでの集客や営業の効果が表れはじめているようだ。

ストック型ビジネスは、リフォームが同11.0%減と厳しい状況だが、不動産フィー事業は賃貸住宅の管理事業などが好調に推移し、同4.1%増となった。ストック型ビジネス全体では同0.7%増という状況だ。

開発型ビジネスについては、分譲住宅事業(同25.0%減)と都市開発事業(53.0%減)が減少したが、マンション事業が同18.0%増という伸びを見せている。全体では30.7%減という大幅な減少となった。都市開発事業のホテルなどの収益が減少している。

国際事業は、中国のマンション販売事業や米国の戸建住宅事業の受注が好調に推移する一方で、米国賃貸住宅開発事業やオーストラリアでの事業が苦戦しており、同32.7%減となった。

仲井社長は、「ステイホームによって住宅に関する関心は高まっている。当社社員のオンラインでの営業スキルなども高まっており、6、7、8月と順調に回復してきている」と述べ、明るい兆しが見え始めてることを強調した。通期では前年度と同じ2兆4150億円の売上高を計画している。