LIXILグループ、ホームセンター事業を譲渡 “本業”への集中姿勢 より鮮明に
LIXILグループは、ホームセンター事業などを手掛ける子会社LIXILビバをホームセンター大手のアークランドサカモト(新潟県三条市・坂本勝司CEO)へ譲渡する。グループ最大の子会社を手放すことで、住宅建材・設備事業などの“本業”への集中姿勢がより鮮明になった。
6月10日、アークランドサカモトがLIXILビバに対し、TOB(株式の公開買い付け)によりすべての株式を取得し、完全子会社化を目指す予定で、LIXILビバはこれに応じる方針だ。
ホームセンター業界11位のアークランドサカモトと5位のLIXILビバの両者の売上高を合わせると、3096億円とコメリに次ぐ業界5位になる見込み。さらに、10年後には売上高を5000億円まで引き上げたい考えで、「仮に現在トップのカインズがこのままの業績ならば業界トップになる」と、渡邉修 代表取締役社長兼CEOは話す。
アークランドサカモトは「ホームセンタームサシ」、LIXILビバは「スーパービバホーム」のブランド名でホームセンターを展開しているが、完全子会社後もそれぞれの店舗のブランドは維持する方針。
今回、アークランドサカモトが買収に踏み切った大きな理由は、出店空白地帯への進出を図るためだ。特に、LIXILビバが強い首都圏市場への進出を図る狙いがある。「店舗の重複はなく、補完関係を構築でき、業界のリーディングカンパニーを目指せる」と、アークランドサカモトの志田光明 取締役管理本部長は話す。
一方で、LIXILビバがTOBに応じる理由について、LIXILグループの瀬戸欣哉 取締役代表執行役社長兼CEOは、「LIXILグループ最大の子会社だけに、(LIXILビバの売却については)嬉しさもあるが、寂しさもある。今後、LIXILグループは本業のメーカー事業(ハウジング事業とウォーター事業)に専念していきたいと考えている。こうした意味で、今後は本業への投資を最重要にしていくために、今回のホームセンター事業のTOBに応じた」としている。
また、メーカーに特化するうえで、売り先であるホームセンターを自社で運営することのマイナス面も考慮したという。
積極的なM&Aなどによって事業の多角化を進めてきたLIXILグループだが、ここにきて集中と選択によって、本業である住宅設備・建材の強化を進めようとしている。今回、LIXILグループ最大の子会社であるLIXILビバを手放すことで、その姿勢がさらに鮮明になったと言えそうだ。
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