日頃から書きなぐっていた取材ノートや備忘メモに埋もれていた諸々を拾い、不定期で自由気ままに綴ってみようと思います。落ちこぼれた種から何か芽が出てくるかな——。

 

非上場会社だからこそオープンに YKKの情報開示


YKKグループ恒例の「経営方針説明会」が3月5日に行われた。2018年度の業績見通し、2019年度の経営方針が15人の首脳陣列席のもとに説明される。ファスニング事業、窓など建材事業を含むだけに取材記者も50人を優に超える。

YKKは言わずと知れた非上場会社。ある意味、情報公開について消極的であっても許される立場にいる。現に財務内容など閉鎖的な非上場会社は多い。だが、そうした非上場会社のイメージを覆しているのがYKKだ。しっかりした広報体制をとり、経営トップのメデイアへの露出度も高い。トップの顔が見える数少ない企業のひとつと言っていいだろう。

そしてグループ挙げてのこの3月初めの経営方針説明会は、情報公開と言う点の最たるものだ。業況が良いときも、悪いときもメデイアに全てをさらけ出す。世界で事業展開するグループだけに記者の質問は国内市場にとどまらず、国際情勢にも及ぶ。

この日も、米中貿易摩擦の行方などについての質問が飛んだ。「一年で一番緊張する記者会見」は首脳陣の言葉だが、日頃の勉強ぶりも試される場でもあるからだ。トピックとしてフアスニング事業で、2018年度は同社初めて100億本の販売突破がうたわれたが、これは地球何周分かと言った質問が飛び、「50周分以上です」の言葉で記者からはホーのため息。100億本のスケールの大きさに驚く。AP事業も厳しい市場環境だが、高付加価値製品へのニーズの高まりは「窓はペアガラスからトリプルガラスへ」の説明で、住宅の性能アップのスピードに納得。

YKKグループのこの経営説明会を聞いていると、非上場会社だからこそオープンな情報開示を、の姿勢が強く伺われる。むしろ、最近の相次ぐ上場会社の不祥事を見ていると、情報開示に取り組まなければならないはずの上場会社のほうこそ、都合の悪いことを隠す閉鎖性が出てきているように思えてならない。

この日の会見でもう一つ、メデイアの目をひきつけたのが、YKKAP 広報室の室長、河合知恵子さんの執行役員への昇格だ。広報室を主要組織と位置づけた、一層のブランド強化を狙ってだろう。上場企業が学ぶことが多い。

YKKグループの経営方針説明会でAP事業の概要を説明するYKK APの堀秀充代表取締役社長。「更なる樹脂窓化とトリプル化を進める」と語った

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