ツールの導入を契機として「人」ではなく「仕組み」で業務を管理するモデルへ移行
実践企業に聞くDXツール活用法 ランド・フォレスト(栃木県宇都宮市)
栃木県宇都宮市に本社を構えるランド・フォレストは、2010年に設立された地域工務店。丁寧かつ楽しくなる住まいづくりを追求するために、入江利昌代表取締役をはじめとした、大手ハウスメーカーに所属していた3名で独立し、事業をスタートさせた。
今では栃木県内に5拠点を構えるまでに成長しており、施主の要望に応える完全注文住宅を提供し続けている。着工までの打ち合わせ時間に4カ月を要することも珍しくなく、「大手ハウスメーカー時代では難しかった、時間をかけてじっくりお客さまの要望に応えていき、本当に良質な注文住宅を提供できることが当社の強みです」と、入江代表取締役は話す。
最近では、「平屋ファクトリー」として、平屋の良さを前面に押し出した住宅が人気を博しているという。受注棟数の3分の2を占めるまでになっており、デザインや性能にこだわり、同じフロアで暮らしを完結することができるという平屋の特徴を活かした住宅づくりを推進している。
なお、性能については全棟で長期優良住宅の認定を取得しているほか、断熱等性能等級では等級6という高い性能値を基本仕様に採用している。
建物だけでなく、植栽まで含めた外構、そして家具までトータルに提案できる点も同社の特徴となっている。家具については、建物のデザインコンセプトに調和する家具を同社がコーディネートすることで、より満足度が高いインテリア空間を実現することができるという。
事業拡大に伴い
業務フロー標準化の必要性を痛感
ランド・フォレストでは、ダイテックの注文分譲クラウドDXと現場Plusを導入している。入江代表取締役によると、「社員が10名を超す規模になったあたりから、業務上の問題点が目に付くようになってきました。社員それぞれが違ったやり方で業務を行っていたため、実態を把握しにくくなってきたのです。また、発注書などのフォーマットも揃っていなかったので、業務フローを標準化することが必要ではないかと考えるようになったのです」とツール導入の理由を説明する。
ダイテックの注文分譲クラウドDXにはタスク管理機能が搭載されており、自社の業務フローの標準形を決定し、それに応じて作業の進捗状況を管理できる機能を有している。担当者は、設定された業務フローの順番毎に業務をこなすことになり、必要項目や管理者の承認がないと、次のワークフローへ進めないといった設定を行うことも可能だ。
この機能を活用することで、人に依存する属人的な事業形態から、仕組みで管理を行う事業形態へと移行することができるというわけだ。
ランド・フォレストでも、注文分譲クラウドDXを利用し、業務の仕組み化を進めていった。「変に自社の都合にシステムを合わせるのではなく、思い切ってシステムに自社のやり方を合わせた方が上手くいくのではないでしょうか。その一方でダイテックさんのシステムは標準でカスタマイズできる機能も充実しており、そのあたりの柔軟性という点でも使いやすいシステムだと思います」(入江代表取締役)。
社員も社長も楽しく
協力業者との関係維持にも貢献
注文分譲クラウドDXを使い業務フローの標準化を行ったおかげで、社員が迷うことが少なくなり、現場管理の効率化を促す現場Plusも導入したため、業務負荷の軽減を図ることができたそうだ。
また、経営層がリアルタイムに業務の実態を把握することも可能になり、経営判断の迅速化などにもつながっているという。
さらに、従来のやり方では経営層が把握していない受発注などが個人の判断で行われることもあったが、そうした業務の進め方ができなくなったおかげで、実行予算の管理なども行いやすくなった。
「実態が分からないと、経営者としては会社を存続させるために利益を確保する必要があるので、イライラしてしまうこともありました。注文分譲クラウドDXを導入してからは、こうしたイライラは一切なくなりました。また、社員もやり方を迷わなくなり、以前よりも楽になったのではないでしょうか」(入江代表取締役)。
協力業者との関係維持も図りやすくなったそうだ。「受発注業務についてもルールが明確化し、協力業者の方々とのやり取りも可視化されるようになったので、お金のことで揉めるようなことはありません。結果として、お互いに良い仕事を追求することに集中できるようになり、関係性を保ちやすくなりました」(入江代表取締役)。
業務フローの標準化に取り組み、「人」ではなく「仕組み」で管理を行うようになったことで、社員、協力業者、そして社長も楽しく業務を行えるようになったというランド・フォレスト。入江社長は、「(ツールの導入が)会社の成長につながったことは間違いないでしょう」と話す。
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