プラン検索から提案書作成の作業を効率化 ユーザーへの初期対応をスピーディに
実践企業に聞くDXツール活用法 悠悠ホーム (福岡県大野城市)
悠悠ホーム
注文住宅営業部 次長
大山 寛政 氏
悠悠ホームは、福岡県を中心に地域密着で注文住宅を軸に住宅事業を展開。1994年の設立以来、建築してきた住宅は5000棟を超える。
年間250棟程度を手掛ける注文住宅は、「“健康で快適な家”を届けることが私たちの使命」(注文住宅営業部 大山寛政次長)と家づくりを続けてきたが、昨年、「健康・快適」の一歩先にある「ウェルビーイングの実現」というビジョンを新たに掲げ、人生をより豊かにする家づくりを追求する姿勢を打ち出した。
より豊かな生活を実現するために性能やデザインに力を入れる。例えば、全棟で外断熱工法を採用し、断熱性はHEAT20のG2を標準、気密性はC値0.3程度という高い性能を持つ。さらに空気のリフレッシュや湿度のコントロール、また、家中で安全・きれいな水が使えるといった「サクラテクノロジー」を導入するなど健康・快適な暮らしの提供に取り組んでいる。
膨大なプランの活用に課題
検索に多大な手間と時間が…
注文住宅の大きな魅力は、希望やこだわりに応える家づくりができること。ただ、「お客様からみると“何でもできる”は“何もできない”と同じ」(大山次長)と、WEBでは「平屋の暮らし」、「地下室のある暮らし」、「土間スペースのある暮らし」などさまざまな具体的な商品提案を行っている。
近年、住宅検討段階で多くのモデルハウスを見て、多くの事業者を訪れて話を聞くというユーザーが減っている。事前にWEBなどで入念に下調べをし、ある程度絞り込んでから住宅事業者にアクセスするようになっているのである。つまり、検討初期段階でユーザーが「この会社なら希望する家を建ててもらえそう」と思ってもらうことが非常に重要になる。そのためにはユーザーが求める情報や価値をいかにスピーディに提供できるか、個々のユーザーにカスタマイズした情報を提供できるかがポイントになる。
悠悠ホームはWEB上で、理想や条件を入力することで希望する間取りを郵送するサービスを展開している。ユーザーの要望は十人十色。「こういう間取りのイメージが欲しい」、「この希望を満たすとどの程度の金額になるか」といった問い合わせに対してスピーディな対応が取れなければ、希望に応えてくれない会社だと思われ商談につなげることができない。この段階でどれだけ良い会社だと思ってもらえるかが非常に重要なポイントになる。
しかし、個別に異なる要望にあった、もしくは近しい間取りを、数千に及ぶこれまでの図面ストックのなかから探す手間、時間が大きな課題であった。こうしたなかで提案を受けたのがAIによるプラン検索システム「マイホームロボ」である。
スピーディな検索から提案書の作成までを効率的に
「間取りの検索の効率化は長年の課題であり、計算するまでもなく費用対効果が間違いなく高いとわかっていたので、これは導入せずにはいられない」(大山次長)と採用を即決、そのうえでカスタマイズなどの要望を伝え、今年の2月に導入した。
「マイホームロボ」は、さまざまな検索条件によりAIが自動でプランを作成するものだが、悠悠ホームはこれまで蓄積してきた数多くのプランのストックがある。そこで「マイホームロボ」にこれらのプランを登録できる仕組みを構築した。
導入から半年ほどが経つが「圧倒的に作業効率が上がった」(大山次長)という。「マイホームロボ」は建物の坪数、間口や奥行、階数などから検索が可能で、その作業が非常に手早くできる。さらにカスタマイズし、検索したプランでそのまま提案書を作成することができることも大きな効率化につながっているという。
また、「マイホームロボ」を使うスタッフが個人的にフォルダリングできることも大きな魅力であるという。検索をかけた時に、後から使えそうだと思ったプランをストックできるもので、もともとは営業担当者が自らの“鉄板ネタ”を検索をかけずに出すことができるようにと装備された機能だ。悠悠ホームでは、よりスピーディに、より的確に要望に応えるために、スタッフが自分用のプラン集をつくっているという。
作業効率化はてきめん。同社への資料請求はこの7月までの半年で約1100件増加したが、この急激な物量増加に対応できたのは「マイホームロボ」による作業効率アップがあったからこそで、「導入していなければパンクして、残業など無理な作業が求められていた」(大山次長)という。
今後の「マイホームロボ」の活用について、大山氏は「現在はお客様のニーズにフィットできていると思っている。しかし、お客様のニーズや行動が変化すれば、私たちが提供すべき価値も変わってくる。私たちから現場の声を伝えることでマイホームロボの改善につなげてほしい」と、その進化に期待をかける。
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