人手不足を解消 リモート施工管理で現場タスクを60%削減 log build「Log System」

リモートによる「品質・安全・進捗」の管理

ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、リフォーム、リノベーションなど幅広い領域でリモート施工管理を実現するためのサービス「Log System(ログシステム)」を開発する建設テックのlog build(ログビルド)は、湘南の建設会社であるecomoのIT事業部として発足し、建築会社や職人と一緒にアプリ開発を進めている。
建設業界で深刻化する人材不足や高齢化、長時間労働、属人的な管理体制、品質管理体制などの社会課題を解決する策として、「どこからでも簡単にアクセス可能なリモートで現場を可視化するアプリケーション」が注目されている。
ハウスメーカーでの全国展開はもちろん、施工エリアを拡大する企業、人手不足に悩む小規模ビルダーなど、多くの会社を支援している。

業界初のリモート施工管理システム

INTERVIEW

ビルダーは今こそ集客だけでなく
現場管理に重点を置くべきではないか

log build 代表取締役
ecomo 代表取締役
中堀健一 氏

私は東京の建設会社で大工として働きはじめ、最終的には現場監督をしていました。当時、働きながらボクシングをやっていたので、終業後すぐにジムに行きたかったのですが、現場監督はそうはいきません。現場が終了した後にデスクワークが待っていますから。移動時間も長く、本気で「どこでもドアがあったら…」と思っていました。

26歳の時に独立し、神奈川県の湘南エリアでecomoを創業しました。自ら工務店を経営するなかで、既存のやり方では本当の意味での現場管理はできないと考えるようになりました。現場監督によって現場の様子が全く異なっており、お客様にとっては「良い現場監督に当たればいいが、悪い監督に当たってしまうと…」という、まさに“ガチャ”状態です。

現場監督の業務負荷を減らし
施工品質をチェックする基準を作る

なぜ、こういう状態になっているのか―。現場監督の業務負荷が多すぎて、本来やるべき仕事に集中できていないという要因が挙げられます。加えて、施工品質や安全管理を徹底しようとしても、評価するための基準がないという問題もあります。

そこで、現場を遠隔管理し、移動時間を削減しようと考えました。色々なツールを試してみたのですが、なかなか上手くいかず、「それなら自分たちで作ろう」ということでlog buildで開発したツールが「Log System」です。「Log System」によって、360°画像を用いて遠隔で現場の様子を把握できる環境が整いました。また、配筋検査から基礎検査、アフターまでの仕様をマニュアル化した標準施工要領書も整備しました。標準施工要領書を協力業者の方々とクラウド上で共有することで、現場で施工方法に迷ったので現場監督に連絡するといったことが無くなりました。

経験が浅い社員でも
施工品質をチェックできる体制を構築

施工品質を自主検査するためのチェック項目も策定しました。このチェック項目を活用すれば、誰でも適切な施工が行われているか否かを判断できます。しかも現場の大工さんなどがスマホで写した画像を見ながら遠隔でチェックを行い、オンライン上で打ち合わせが可能です。

ecomoでは若い女性スタッフが施工品質のチェック業務を担当しています。マニュアルとチェック項目を明確にしておけば、専門知識がないスタッフでも適切な自主検査を行うことができるのです。むしろ専門知識がない方が、妙な忖度をすることなく不備がある部分などを指摘できます。

現場監督は本来やるべき情報や原価の管理などを徹底できるようになりました。お客様との打合せに現場監督が同席することも増えました。これによってお客様や設計担当者の意図を理解した上で、施工品質を管理できるようになりました。また、設計担当者と現場監督が頻繁にコミュニケーションを行うようになった結果、さらに施工品質が向上していくという好循環が生まれています。

民法改正などの影響もあり、今後、設計通りの施工が行われていないと、深刻なクレームに発展する懸念があります。log build社としては、「Log System」というツールだけでなく、現場管理や安全管理の新たな仕組みを他の住宅会社の方々にも提供することで、集客の部分だけでなく、「作る部分」の根幹を担う現場管理を改善していくお手伝いができればと考えています。

こうした活動を通じて現場監督や協力事業者の方々の業務負荷を減らし、次世代を担う人材が住宅業界に入ってくる状況を生み出すことに貢献していきたいです。

株式会社log build
0466-90-3381
https://www.log-build.com/