ムリ・ムダの排除で業務好循環を創造 設計業務の標準化・自動化を支援 野原グループ 住環境カンパニー「作図・積算BPOサービス」

生産性向上のボトルネックを解消

住宅事業全体の効率化を図る上で、設計部門がボトルネックになっているケースは少なくない。設計業務が属人化しており、標準化も図れていないために、施工工程などの生産性低下を招いている場合も多い。また、今後は4号建築の特例の縮小や省エネ基準の適合義務化などによって設計部門の業務負荷が増大する懸念がある。野原グループ 住環境カンパニーでは、「作図・積算BPOサービス」を通じて、こうした状況に一石を投じようとしている。

「作図・積算BPOサービス」は、大きく①標準化、②システム化、③オペレーション構築、という3つのステップによる2段階のソリューションで設計業務の効率化を図っていく。

①標準化では、属人化されている設計業務にメスを入れていく。具体的には同社のコンサルティングサービスを通じて作図のルールなどを明確にする。

設計担当者が共有する統一ルールを作成し、例えば施工者の誤解を生むような作図が行われないようにしていく。
また、担当者毎に仕様がバラバラになっているためにコストアップ要因になっているといった問題がある場合、仕様の見直しや集約などを図りながら、ムリやムダを徹底的に排除していく提案も実施。さらに、積算のルールなども整備する。
②システム化では、CADプログラムによる自動化を進める。福井コンピュータアーキテクトの「ARCHITREND ZERO」を使用して、明確化した設計業務の統一ルールに従って、全ての設計担当者が「ARCHITREND ZERO」を使い、プランの作成などができるようにする。

コンサルティングサービスによる標準化とシステム化を通じて、作図・積算ルール、「ARCHITREND ZERO」の標準的な使い方、オペレーションマニュアルなどを整備していく。まずは設計業務を効率化していくための下地を整えていくというわけだ。

作図・積算BPOサービスの3つのステップ

作図・積算BPOサービス ONE STOP請負例

設計業務の外注化で
法制度などへの対応も円滑に

③オペレーション構築というステップでは、統一ルールに基づき作成されたプランデータを野原グループと共有することで、図面作成、性能計算、実行積算などの作業を外注化する。

同社では、中国・大連とパラグアイにある海外CADセンターも活用し、一気通貫で図面作成の業務などを請け負う体制を構築している。この図面作成から性能計算までの一気通貫サービスを「ARCHITREND ZERO」で行い、住宅会社とCADデータ連携を行うことで、住宅会社は設計業務上の工程管理手間や図面の整合性チェック手間を削減できる。設計業務の合理化が図れ、生産性を向上させることができる。

図面作成から性能計算までの一気通貫サービスでは、中国・大連とパラグアイの12時間の時差を利用することで、24時間体制でCADセンターを稼働させることができる。すでに18年もの実績があり、年間2万件もの設計業務を行っている。

工務店などの住宅会社にとっては、設計業務を外注化することで、4号建築の特例の縮小や省エネ基準の適合義務化などの法制度の変更に柔軟に対応することができるようになる。

さらに同社では、建材割付プログラムによる高精度積算サービス「ぴったりでき太」をはじめ、石膏ボードのプレカットサービスなど積算・施工に関わるサービスを用意しており、設計・積算・施工という建設プロセス全体の効率化をサポートすることも可能だ。

「ARCHITREND ZERO」のデータを同社と共有することで、建材メーカーなどへ見積依頼や納材レベルの拾い出しといったサービスを受けることも可能だ。他のシステムとの連携を図りながら、実行予算管理なども効率化できるという。

同社では、「粗利が確保できているのに利益が残らないという住宅会社様は、業務が合理化されていないために人件費率が高くなっている場合が多いようです。適切な利益を確保するためにもマンパワーに過度に依存しない合理的な業務システムを構築する必要があります」(機能開発本部 尾野幸一本部長)と考えており、とくにムリやムダが多く、他の業務への影響度も高い設計業務をコンサルティングサービスと外注化によって合理的な業務システムへと変革していく支援を行っていこうとしている。

野原グループ株式会社
住環境カンパニー

TEL 03-6371-0966
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