業務をトータルでクラウド化 基幹、施工管理、CADが連携

ダイテック・福井コンピュータアーキテクト「住宅事業者向けトータルソリューション」

「住宅事業者向けトータルソリューション」は、基幹システム「注文分譲クラウドDX」、現場施工管理アプリ「現場Plus」、建築CAD「アーキトレンドZERO」を連携させることで、営業、計画、工事、経理、アフターといった住宅事業のすべての業務をスムーズにクラウド上で行うことができる。今後は現場ロボットやウェアラブル端末、電子契約などさらに連携の輪が広がっていく。

3月に本格的に提案を開始し、住宅事業者から大きな注目を浴びるサービスがある。

住宅事業者向けクラウドサービス・データセンター運用業務などを行うダイテックと、その関連会社であり、住宅設計CAD最大手の福井コンピュータアーキテクトが共同開発した「住宅事業者向けトータルソリューション」だ。

「住宅事業者向けトータルソリューション」は、クラウドを活用した住宅事業者向けの業務効率化サービス。従来の手入力や紙によるアナログな業務を電子化しクラウドで管理することで、住宅事業者の業務効率化や働き方改革に貢献する。

これまでも、こうしたサービスはあったが、営業、計画、工事、経理、アフターなどのどれか一つに特化したものであった。そのため、営業、計画、工事、経理、アフターといった業務の工程ごとに異なるクラウド業務管理システムを導入しなければならず、「データの二重入力やチェックなどの手間が掛かり、業務の効率化を図るはずが結局は仕事が増えるという逆効果に陥っているところもある」(ダイテック・野村明憲社長)という。

一方で、「住宅事業者向けトータルソリューション」は、基幹システム「注文分譲クラウドDX」、現場施工管理アプリ「現場Plus」、建築CAD「アーキトレンドZERO」、iPad専用間取り作成アプリ「まどりっち」を連携させることで、営業、計画、工事、経理、アフターといった住宅事業のすべての業務をスムーズにクラウド上で行うことができる。「住宅事業者に向けて、基幹業務から現場、設計まで幅広いサービスを提供しているダイテック・福井コンピュータグループならではのソリューションであり、他では真似できない強み」と、ダイテックの野村明憲社長と福井コンピュータアーキテクトの佐藤浩一社長は自信を見せる。

業務フローとトータルソリューション

設計図面を現場とダイレクトに共有
積算データと見積書も連動

例えば、建築CAD「アーキトレンドZERO」で作成した図面は、同CADソフト内の専用ボタン「ZERO-Plus LINK」をワンクリックするだけで、現場施工管理アプリ「現場Plus」の図面フォルダにPDF形式で保存することが可能だ。

通常であれば、図面データをPDFに変換し、メールで送信するなどの作業が必要になるが、こうした作業を専用ボタンをワンクリックするだけで自動で行え、オフィスにいる設計担当者と建築現場にいる施工担当者がスピーディーに図面情報を共有できる。

また、「アーキトレンドZERO」で作成した積算データを、基幹システム「注文分譲クラウドDX」と連携させることも可能。通常であれば、設計担当者が作成する積算データと事務担当者が作成する見積書はソフトのフォーマットが異なるため、事務担当者がデータを打ち直すなどの手間が掛かったが、「住宅事業者向けトータルソリューション」なら、フォーマットが揃っているため、事務担当者は積算データから手間なく見積書を作成できる。

基幹システム「注文分譲クラウドDX」と現場施工管理アプリ「現場Plus」も連携している。「注文分譲クラウドDX」と「現場Plus」内にあるリンクボタンをクリックするだけで、ログインし直すことなく両システムを行き来でき、現場情報や工程表、写真・図面を共有することができる。

注文分譲クラウドDX 8つの特長

事務作業を劇的に効率化
直感的な使いやすさで現場の効率化も

「住宅事業者向けトータルソリューション」は、それぞれのソフトで提供するサービスの質も高い。

「注文分譲クラウドDX」は事務作業の効率化が可能。実行予算、発注計画を確定すれば、その後の出来高査定、工事台帳、帳票の策定から支払全額確定までを自動で行うことができる。
「住宅事業者の事務作業で最も面倒なところを効率化できるため、人手不足に悩む住宅事業者には大きなメリットになる」とダイテックの野村社長は自信を見せる。

また、電子申請・承認の機能により、時間や場所を問わずに申請・承認が可能。電子受発注機能でペーパーレス化を実現し、コストカットと業務の効率化を実現する。さらに、顧客見込台帳、商談台帳、点検保守台帳が連動しているため顧客情報を一元管理でき、新築引渡し後も将来的にリフォームの提案を行いやすい。

現場施工管理アプリ「現場Plus」は直感的にわかる圧倒的な使いやすさが特徴だ。スマートフォンやタブレットの画面上でのドラッグ・タッチで工程表の確認・変更が可能など、ITツールに不慣れな人でも画面の指示に従うだけで簡単に操作ができる。

また、充実した機能も特徴で、トーク、掲示板、写真、図面、工程表などの基本機能だけでなく、入退場管理、施主への情報公開、危険予知活動、協力業者の多段階承認など施工現場に必要な機能を全て標準搭載している。

自前のデータセンターで安心のデータ管理

「住宅事業者向けトータルソリューション」は、クラウドの情報を管理するサーバーの安全性も高い。通常のクラウドの業務効率化サービスでは他社のウェブサービスにサーバーを構築して利用しているケースが多いが、「住宅事業者向けトータルソリューション」は、ダイテックが自社運営するデータセンターを利用。高度な情報セキュリティや停電、地震対策などの危機管理に万全を期し、石油販売大手ENEOSのガソリンスタンドのデータ処理も行っており、40年間無事故の実績を誇る。

DXの流れは止まらない。今こそサービス導入を

ダイテック 代表取締役社長
野村 明憲氏

コロナ禍から1年経ちましたが、ここにきて、「住宅事業者向けトータルソリューション」の採用が大きく伸びています。第2回、第3回と緊急事態宣言が発令され、住宅事業者にもテレワーク体制構築の必要性がジワジワと浸透してきました。こうした中で、かねてからDXによる業務効率化に取り組まなければならないと考えていた住宅事業者が、テレワーク対応の必要性に背中を押される形で「トータルソリューションサービス」の導入に踏み切ったということでしょう。最近はメディアでDXという言葉を聞かない日がないくらいであり、徐々にDX化の成功事例も出てきました。コロナ禍が収束しても、おそらくDX化の流れは止まりません。今こそ住宅事業者はDXに取り組む時であり、「住宅事業者向けトータルソリューション」を導入して欲しいと思います。

省エネ対応、ウッドショックで、DXによる業務効率化が一層求められる

福井コンピュータアーキテクト 代表取締役社長
佐藤 浩一氏

4月から、住宅事業者には省エネ基準適否の説明義務が課せられる改正建築物省エネ法が施行されました。また、国は2050年カーボンニュートラル実現への動きを加速させており、省エネ基準の段階的な引き上げが現実的になっています。省エネ基準を満たす住宅は、高性能断熱材や高効率設備の導入など、通常より設計や施工に手間も費用もかかります。加えて、ウッドショックによる輸入集成材の高騰も利益減少の追い打ちです。最近の住宅政策や市場の変化は、CADや基幹システム単体でできる最適化の範囲を超えており、部分最適化では解決しません。自社の情報技術を見直して、設計や施工の物理的作業の合理化を進めるDX化が今後は重要になってきます。両社が掲げる「住宅事業者向けトータルソリューション」は、そういった業界事情に深く切り込んで至ったものです。住宅業界の課題解決のために幅広くご提案していきたいですね。

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