囲碁界に襲来する若き女流棋士のパワー
上野 愛咲美・女流棋聖に強さの秘密を見た
各界で若い女性の活躍が目立つ。それも20代どころか、まだ幼ささえ漂う10代だ。
女子ゴルフなんて、渋野日向子ら20歳組みが黄金世代としてしのぎを削り、その下のミレニアム世代も台頭している。やはり、若い女性たちの躍動する姿はまぶしく、明日を感じさせてくれる。
若き女性パワーは囲碁の世界にも押し寄せている。囲碁なんてご隠居さんらお年寄りの道楽、趣味の世界の話なんて思っていたら時代錯誤もはなはだしい。女流棋士の活躍が目立つのだ。中でもこのところ注目を浴びているのが、上野愛咲美棋士。17歳、高校生だ。2016年にプロ入りし昨年、歴代最年少で女流棋聖を獲得、今年はその初防衛戦にも勝利した。さらに、この9月には男女を問わず300人以上が参加した竜星戦では準優勝に。囲碁のプロ棋士が生まれて400年、ついにチャンピオンの座を女性が争う時代になったかと話題を呼んだ。この快挙にこのところ女子ゴルフ、全英オープン優勝の渋野日向子プロを招くなど若き女性に目覚めている(?)日本記者クラブが見逃すはずがなく、先ごろ上野棋士を招いての会見を行った。記者クラブが会見した女性としては最年少だ。
終始笑顔で記者の質問に落ち着いて答える姿はやはり17歳には見えない。「祖父から頭の訓練にいいから」と言われ始めた囲碁だが、「いろいろと考えることが好きなので囲碁は向いていたのかも」「それにほかにやりたいことが見つからなかったので」と、これは天賦の才を見抜いた家族の英才教育の賜物か。対局では「盤面を見ながら5つぐらいのパターンを想定し、そこから1つを導き出していく」そうで、「考えることが好き」の言葉も納得だ。負けても「ああ間違っちゃった」と言うほどの天真爛漫さが周囲を苦笑させるが、「碁盤を前にすると安心し、緊張感も吹き飛ぶ」はやはり天性か。師匠の藤澤一就8段は「碁盤をはさんだときの集中力は凄い。話しかけても気づかないことが多い」そうで、「ニコニコしながらハンマーを打ち下ろしてくるような戦闘的な戦いをする」との評価もうなづける。持ち時間が短く瞬発力が求められる「早碁」が得意という理由にも繋がるのかもしれない。「男女差もあまり気にしない」も竜星戦で準優勝の実績が自信になっているのかも。これから大きなタイトルにも挑戦することになるのだろうが、「20歳までしか出られないものもあるのでこれは取りたい」と、まずは向かう一戦、一戦に全力をといった面持ちだ。
対局前でも二人ではしゃぎまわり遊んでいるほどの仲の良い妹、上野梨紗さんも中学生ながら初段のプロ棋士として注目を浴びる。今後、姉妹対決の期待もかかる。またそれ以上に、2009年生まれの小学生、仲邑菫棋士もいる。さらに21歳の藤澤里菜4段の活躍も目立つ。まさに女流棋士花盛りといった感じだが、だいたい囲碁は平安時代、紫式部や清少納言ら女性が教養として楽しんだといわれる。令和の世に女流棋士がブレークしても何の不思議もないか。
ああいけない、誰かさんに叱られる。男子だって、19歳の芝野虎丸棋士がこのほど史上最年少で名人位を獲得した。これはいま、若者の突き上げで、囲碁界全体が盛り上がっているということでーー。
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