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【長谷川萬治商店】木材を木ダボで接合した木質パネル「DLT」シンプル、ローテクで中小製材所も取り組みやすく

DLT(Dowel Laminated Timber)は、木材を木ダボで接合した木質パネル。接着剤は使わずに、木材に深孔を開けて木ダボを通すという簡易な製法で製造される。木材の加工性を生かした多彩な表面意匠が可能で、意匠材・構造材として活用が可能だ。CLTや集成材など、接着剤で積層する構造材に比べ、製造方法がローテクでシンプルなため、大型の設備がない中小の製材所なども地域材を活用して製造ができる。そのため、DLTが考案された欧州では、ドイツ南部やスイスの山間部に中小規模のDLT製造工場が点在し地域の木材を活用している。素材生産から加工、利用までの流れが地域の中で成立しており、小さな地域社会の中で限られた木材資源などを有効活用し、地域経済を回す。加えて、DLTは他の木質パネルと異なり、丸身等を含む建築用途では使い難いB 材・C 材もパネル化し有効活用が可能となる。こうした点が評価され2020年度グッドデザイン賞を受賞した。

DLT丸身付きタイプ
DLTの材の色調を確認する様子
バウマイスターの家(設計 網野禎昭+平成建設一級建築士事務所)木の色調が美しいDLT天井仕上げ

記者の目

炭素貯蔵効果が期待でき、再生可能な循環資源である「木材」を建築物に積極的に利用しようとする機運が高まっている。しかし、充分に山側へ利益が戻っていないという指摘もあり、この点が大きな課題になっている。長谷川萬治商店のDLTは、こうした課題を解決する可能性を秘めた木質素材だ。ローテクでシンプルな方法で製造できるため、中小の製材業者でも生産しやすく、いわゆるB材も有効活用できる。できるだけ多くの木材を利用しながら、地域の製材業者が付加価値の高い形で製品化し、それを比較的小さな経済圏のなかで利用していく―。山側へとより多くの利益が戻り、持続可能な森林経営につながり、好循環が生まれていく。地域経済への貢献度の高い建材として普及が期待される。

DATA

商品

DLT

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会社名

株式会社長谷川萬治商店

ホームページ

https://www.haseman.co.jp/