HOUSE2.0

今号で取材したSOUSEIの乃村一政社長は、「IoTやICTという観点で見ると(住宅産業は)ブルーオーシャンを通り越して、戦後の焼け野原のような状態」と指摘する。乃村社長は、プラットフォームビジネスの展開を志し、住宅産業に着目したそうだ。

住宅産業が成熟産業というのは、もはや業界内外の共通認識。しかし、少し違った視点で見ると、「ブルーオーシャン」どころか、「戦後の焼け野原状態」にもなるということだろう。ここにきて建築テックや不動産テックなどの分野が注目されているが、こうしたビジネスを展開する事業者の目にも住宅産業の違った可能性が見えているはずだ。

そもそも住宅産業は、本当に成熟しているのだろうか。確かに物理的には住宅は余っている。しかし、そのことを実感している消費者はどのくらいいるのだろうか。また、余っている住宅を使えるようにするための技術やサービスは確立されているのだろうか。さらに言えば、本当に建替えるよりも、使えないストックを再生していく方が効率的なのだろうか。例えば、建築テックの分野が進展し、住宅生産が飛躍的に効率化した場合、建替えた方が断然合理的であるという状況が訪れるかもしれない。そして、こうした発想を延長していくことで、これまでの価値観とは全く異なる「HOUSE2.0」が具現化してくるのではないか。


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