将来の人材確保のための働き方改革

厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.48倍となり、前月から0.03ポイント増加した。ちなみに、バブル経済真っ盛りの1990年の年平均の有効求人倍率が1.40。現在の求人環境はバブル期並みの“売り手市場”ということになる。

今回の特集の取材のなかで、企業単位だけでなく、住宅業界全体で女性活用を進めなければ、将来、誰も住宅業界に就職しようと思わなくなると指摘する声をいくつか聞いた。未だに男性社会という側面が色濃く残る住宅業界において、理不尽な壁にぶつかっている女性も多いという。

女性の活躍の場を広げていこうという機運は、政府が「一億総活躍社会の実現」を重要な政策課題のひとつに掲げたこともあり、徐々に社会に定着しつつある。住宅関連企業でも確実に女性が活躍する場が広がっている。しかし、住宅業界全体としての取り組みという点では、まだまだ不十分であるということだろう。

女性が障害なくキャリアを継続できる環境を整備していかなければ、住宅業界は激化する人材獲得競争で後手を踏み、人材不足により事業を縮小せざるを得ない状況に追い込まれる懸念がある。女性が障害なく働ける環境さえ整備できない業界には、女性に限らず男性であっても人材は集まらないということだ。その意味では、ダイバーシティの推進は、企業の社会的な責任という範疇を超え、事業を継続していくうえで避けては通れない経営課題になりつつある。


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