厚みを抑えてトリプルガラス並みの断熱性能を発揮する超高断熱ガラスの新製品開発が加速している。新築に加えて、リフォームでも、住まいの高性能化をさらに進める商品として注目を集めそうだ。

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日本板硝子は、2017年10月、真空ガラス「スペーシア」の断熱性能を高めた「スーパースペーシア」を発売した。スペーシアは、同社が世界で初めて実用化に成功した高断熱ガラス。2枚のガラスの間に0.2mmの真空層を閉じ込めることで、厚さ6.2mmで1.4(W/㎡・K)という一般的な複層ガラスの2倍の断熱性能を実現した。一般的な既存の窓ガラス用サッシに収められる厚さであるため、開口部の断熱リフォームに最適な商品として市場での評価を得ている。ただ、スペーシアでは、ガラスとガラスの間にマイクロスペーサーという金属の柱を20mm間隔で設置しているが、このマイクロスペーサーを通して生じる熱伝導が、製品全体の断熱性能を下げてしまっていた。この難点を解決したのがスーパースペーシアで、ガラスの厚みを増し、耐久性を高めた上で、マイクロスペーサー同士の間隔を28mmに拡大し、スペーサーの設置数を減らしたことで、マイクロスペーサーによる熱伝導量を抑えることに成功。厚さ10.2mmで、熱貫流率0.65(W/㎡・K)という断熱性能を発揮する。一般的なトリプルガラスの半分以下の厚みで同等以上の熱貫流率を実現している。

パナソニック エコソリューションズ社が、プラズマディスプレイパネルの技術を応用して開発した真空断熱ガラス

プラズマディスプレイパネル製造技術を応用

パナソニック エコソリューションズ社は、2017年12 月、プラズマディスプレイパネルの開発・製造技術を応用することで、優れた断熱性能を有する真空断熱ガラスの開発および量産化に成功した。同社は、太陽光パネルや内装建材のスクリーンウォールなどにガラスを使用した製品を展開しているが、ガラスそのものを扱うのは今回が初めてとなる。パナソニックでは、2013年にプラズマテレビからの撤退を発表。プラズマディスプレイパネル(PDP)の生産を終了していたが、PDPを製造する技術、ノウハウを他分野で活かすことを模索していた。新たに開発した真空断熱ガラスには、PDPの製造で培った、空気を抜くための孔を塞いだ封止部を無くす技術を活かすことで、フラットですっきりとした製品外観を実現。さらに、2枚のガラス間に0.1mm程度の隙間を形成する新開発の低熱伝導性材料を採用することで、約6mmの薄さで業界最高クラスの熱貫流率0.7(W/㎡・K)を達成。総厚約30mmのアルゴンガス入りトリプルガラスと同等以上の断熱性能を発揮する。同社によると世界の高断熱ガラス市場の規模は約1兆円。年間7~8%伸長している。主な用途は、ディスプレイ用の業務用冷凍庫や建築用の窓である。「どの分野の用途開発を進めるのかは検討段階。取引先関係者の声を聞き、ガラスの構成を変えるなどニーズに合う形に改良を加えて提供していきたい」(同社)。