2017.12.6

(一社)プレハブ建築協会 プレハブ住宅で国産材活用を推進

木材業界と検討WGを発足

プレハブ住宅 で国産材の利用を進めていく方針を打ち出した。協会内に国産材利用検討ワーキング・グループを立ち上げ、木材業界の企業、団体にも参加してもらい利用推進方策を検討していく。

大和ハウス工業は「ジーヴォ グランウッド」で構造軸組材を100%国産材で賄える「純国産仕様」を提案している
積水ハウスが2016年に発売した木造住宅シャーウッド「グラヴィス 凛庵(リアン)」は国産材構造材を標準採用している

プレハブ住宅で国産材の利用が拡大しそうだ。プレハブ住宅は構造材に軽量鉄骨を使用するものが多く、これまで木材を多く使っているイメージはあまりなかった。しかし、実際には内装の造作や下地材などで木材を多く使用している。また、最近では大手プレハブ住宅メーカーが木造住宅も手掛けている。そうしたなか、国内の森林資源の活用や環境貢献を推進している林野庁の呼びかけで、今年6月と8月に会員企業9社(旭化成ホームズ、積水化学工業、積水ハウス、大成建設ハウジング、大和ハウス工業、トヨタホーム、パナホーム、ミサワホーム、ヤマダ・エスバイエルホーム)と国土交通省も参加する「国産材利用検討会」を開催。会員企業の国産材活用の現状の取り組みや成果について把握するとともに、今後の利用拡大に向け、取り組みの方向性を取りまとめた。

具体的には国産材の価格や品質、供給量を見ながら、製材や2×4材、合板、集成材などを中心に国産材利用の拡大を目指す方針だ。さらに、検討会で取りまとめた今後の取り組みの方向性を踏まえ、協会内に「国産材利用検討ワーキング・グループ(WG)」を設置。検討会に参加した9社にサンヨーホームズを加えた10社が参加する。

「WGには各社の部材調達や開発部門で決定権を持つ人に参加してもらい、具体的に各社の戸建住宅のなかで国産材の利用を進める方策を検討する」(プレハブ建築協会 業務第二部)という。

WGには林業や木材業界の企業や団体などと国産材の価格や品質、性能、供給量などについて情報交流を行う場も設ける。

会員企業を通じて消費者に向け国産材利用の重要性、必要性についての啓発活動も進める。

会員企業では大和ハウス工業が国産材の利用を推進しており、木造住宅商品「ジーヴォ グランウッド」では、構造軸組材を最大100%国産材で賄うことができる純国産材仕様も提案。構造材以外でも国産材の利用拡大を目指している。

積水ハウスも2005年から国産材の採用検討をはじめ、当初は和室造作を中心に0.04%の採用率だったが、2016年度には年間約30万平方メートルの木材利用量のうち約12%を国産材が占めるようになっている。木造住宅「シャーウッド」でも柱や梁に国産材を導入した「純国産材プレミアムモデル」を発売。2016年には国産構造材を標準採用した「凛庵(リアン)」をリリースした。

ただ、国産材活用の取り組みは会員企業によって差があるのが実情だ。先進的な取り組みを参考に、プレハブ住宅業界での国産材利用を拡大していきたい考えだ。