“おもてなしトイレ”で外国人需要取り込め


東京オリンピック・パラリンピックを来年に控え訪日外国人観光客が増加するなか、観光地のトイレが外国人に与える影響に注目が集まっている。TOTOが行なったアンケートでは、観光地を訪れやすくする要因の2位がトイレであり、逆に訪れにくくする要因の1位もトイレという調査結果が出ており、観光地のトイレがインバウンド需要を促すうえでいかに重要であるかが見て取れる。

それにも関わらず、日本の観光地の公共トイレは3K(臭い・汚い・困っている)の風評が強く、住宅やホテル、空港などのトイレに比べると、清潔さや機能性などで劣るというのが実情。そこで、トイレメーカーなどで活発化しているのが、3K克服を目指す“おもてなしトイレ”の取り組みだ。

その一つが「LIXIL観光地おもてなし清掃」。LIXILの社員が中心となり観光地にある公共トイレを清掃するというものだ。2014年度に四国でCSRの一環として開始し草の根的に広がり、今では全国29都道府県60エリアで実施するまでになった。特筆すべきは、自社製品の導入にこだわらず観光地のトイレを清掃していることだ。あくまで観光地のトイレ全体のイメージアップに繋げようとしている。こうした点などが評価され、LIXILからの声掛けや口コミで、参加者は社員だけでなく地域の住宅関連事業者(取引先以外も含め)、地域住民・学校にも広がっており、CSV的な意義を持ち始めている。

また、TOTOは最新技術で3Kの克服を図る。今年8月、広島県の宮島に「TOTO宮島おもてなしトイレ」をオープン。ウォシュレットの設置、光触媒による防臭・防汚性能を持つ内装壁材・床材の採用のほか、トイレの個室内には小型の液晶モニターを設置し、ウォシュレットなどのトイレの使い方案内も行う。さらに、企業を横断したおもてなしトイレの取り組みも進められている。2017年に(一社)日本レストルーム工業会が訪日外国人観光客に配慮しトイレ操作パネルのピクトグラムの標準化を図っている。  観光地トイレのイメージは、住宅用も含め日本のトイレのイメージ全般に影響を与える。良いイメージを持ってもらえれば、帰国後に日本製トイレの購入も期待できる。トイレメーカーの海外マーケティング戦略上も重要になる“おもてなしトイレ”だ。

「LIXIL 観光地おもてなし清掃」は参加者が年間で約2000人にもなる大きなイベント。10月15日に実施した新宿御苑での公共トイレ清掃では、最多となる300人以上が参加した