住宅内の家電や住宅設備機器をインターネット経由で連携させる住宅向け「HOME IoT」の中核機器「AiSEG2(アイセグ2)」の機能を拡充した。スマートスピーカー連携機能を搭載するとともに、連携機器も20社33機器へと拡大。リフォームでの採用も増えつつあるとして、機能拡充を機に販売をさらに強化する。

家電や住宅設備などの電気機器を連携させ、エネルギー管理や相互接続を行なう「HOME IoT」の中核機器となる「AiSEG2(アイセグ2)」をバージョンアップ、10月22日より販売を開始した。

同社は2012年にAiSEG2の前身となるAiSEGを発売、2015年には価格を抑え機能を拡充したAiSEG2の販売をスタートさせ、これまで累計13万台を販売している。住宅内のエネルギーの見える化や最適制御を行うニーズが高まるなか、スマートHEMSの普及を進めてきた同社。AiSEG2のバージョンアップで多様なメーカーの幅広い機器に対応することにより、普及を加速させたい考えだ。

バージョンアップによってAiSEG2に繋がる機器数は従来の13社26機器から業界トップクラスの20社33機器に拡大した。連携可能な機器はパナソニック社製の全自動おそうじトイレ「アラウーノ」や電気錠、窓センサーなどパナソニック社製品が多いものの、エアコンではこれまで連携可能となっていたダイキン工業や三菱電機の製品に加えて新たにシャープや富士通ゼネラルとの連携が可能となった。AiSEG2が室温や湿度を監視することで自動でエアコンを運転するうえ、室温が上昇している場合などはアプリに知らせるため住宅内での熱中症などを防ぎ安心で快適な暮らしづくりをサポートする。

また業界で初めて宅配ボックスとの連携にも対応した。外出中に荷物が届くと、アプリに着荷情報が通知されるほか、帰宅時に家に近づくと着荷情報をアプリにリマインドする。アプリへの通知で帰宅時の荷物の取り忘れを防止することで、無駄を減らし時短を実現する。現時点ではパナソニック社製宅配ボックス「COMBO」シリーズのみが接続できる仕様だが、今後は他社製の宅配ボックスにも対応していく。

そのほか、新たにGoogleアシスタントに対応、スマートスピーカーとの連携により音声で機器の操作ができるようになった。ユーザーがGoogle アシスタント搭載スピーカーに「照明をつけて」「リビングのエアコンをつけて」などと話しかけるだけで、自動で動かすことができる。照明やエアコン、エコキュート、電動窓シャッターなど8機器が音声によって個別に操作可能だ。2019年2月には一部を除いて他社製品も含めて照明・エアコン・電動窓シャッターがまとめてON/OFFできるようになるという。既存のAiSEG2でもインターネット経由でファームウェアをアップデートすることで利用可能だ。

パナソニック エコソリューションズ社 エナジーシステム事業部 システム機器ビジネスユニット ビジネスユニット長の谷口尚史氏は「将来的には『LINEClova』対応のスマートスピーカーとも連携したい」と話す。

2019年夏頃の開始を目指して住宅用の電気自動車普通充電設備との連携も検討している

AiSEG2の希望小売価格(税別、工事費別)は4万円、7型モニター機能付きで8万円

「2018年度は3万台、2021年度には2017年度比3.5倍の販売を目指す」と話すエナジーシステム事業部 システム機器ビジネスユニット ビジネスユニット長の谷口尚史氏

EV充電との連携も2018年度は3万台を販売へ

同社は「HOME IoT」における連携機能を今後さらに拡大していくことで「共働き」、「高齢化」、「猛暑」、「省CO2」の4つの課題に起因する悩みごとを改善する3つのベネフィット「時短、便利」、「安心」、「自家消費」の提供を目指すとともに、「AiSEG2」の販売を伸ばしていく考えだ。谷口氏は「2017年度は約1万9000台の販売だったが2018年度は3万台を、2021年度には2017年度比3.5倍の販売を目指す」と目標を掲げる。

販売拡大に向け、すでに2019年夏頃の開始を目指して住宅用の電気自動車普通充電設備との連携も検討している。AIを搭載したAiSEG2が天気予報に基づき翌日の発電量と使用電力量を判断する「AIソーラーチャージ」機能を活用することで、太陽光発電の余剰電力で効率的に電気自動車を充電する。サーバーで明日の余剰電力を予測し日常の電気の使い方を分析。AIが余剰電力で電気自動車の充電が可能と判断した場合には、深夜から朝にかけて深夜電力で充電、残りは翌日昼間の余剰電力を活用して充電する。来年の夏にはAiSEG2が自家消費もサポートするようになる。

スマートHEMSの普及のカギを握るのはAiSEG2のIoT連携機器の拡大だ。住宅内ではさまざまなメーカーのあらゆる機器が使用されている。バージョンアップにより同社では業界トップクラスの20社33機器への対応を実現したが、谷口氏は「まだまだ対応できていない機器が数多く存在している。パナソニックの中でも制御まで行える機器は限られており、対応機器の連携拡大は始まったばかり。拡大途上にあると考えている」と話す。対応機器の拡大は必要不可欠だ。

さらに同社はスマートHEMSの機能により利便性や快適性、経済性、安全性が向上する点を訴求している。これまでの省エネやエネルギーマネジメントなどエネルギーを切り口にした提案から、“快適な暮らし”“便利な暮らし”づくりの提案にシフトすることで、AiSEG2の採用拡大を目指す。

メーカー各社がIoT住宅の製品普及を競い合っている。IoTを軸にさまざまな製品、サービスの提供が進むなかで、性能や機能だけでなく、IoTを活用することによる“豊かな暮らし”をイメージさせることが普及拡大の大きなポイントになりそうだ。

#
このエントリーをはてなブックマークに追加