2018.9.4

ウッドステーション 千葉で大型パネルの3階建アパート

住宅密集地の建替えに対応し2日で上棟

ウッドステーション(千葉県千葉市、塩地博文代表取締役社長)は、千葉県船橋市で、大型パネルを用いて木造3階建アパートを建設した。特殊な重機を用いるなど対応策を講じることで、住宅密集地での建て替えという制約をクリア。2日で上棟を終えた。ノウハウを蓄積し、対応エリアの拡大を図っていきたい考えだ。

ウッドステーションは、「木造大型パネル受託加工サービス」という在来木造を工業化する新しいビジネスモデルを掲げ、2018年5月に立ち上がった。木造大型パネルとは、住宅用資材として一般流通している柱や梁、耐力面材、断熱材、サッシ、金物、防水シートなどを一体化したもの。受託加工という形で、ビルダーなどから受けた住宅の設計図通りに、工場で大型パネルを製造、専用トラックで大型パネルを現場に搬入し、重機で吊り上げ組み立てる。2階建住宅であれば1日で上棟、サッシ、断熱、防水工事及び防犯対策まで完了することが可能で、大幅な工期短縮とコスト削減に寄与する。資本参加する大手プレハブメーカーの木質パネルを製造するテクノエフアンドシーが全国5拠点の工場(北海道、群馬県、愛知県、岡山県、福岡県)で大型パネルを製造。さらに今後、全国の100社ほどのプレカット工場と提携し、大型パネルの製造ノウハウや設備を無償で提供し、

視察に訪れた東京大学名誉教授の坂本雄三氏(写真中央右)に大型パネル事業の概要を説明するウッドステーションの塩地社長(写真中央左)
住宅密集地の工事という制約をクリアするため通常より小さい2tトラックで大型パネルを現場まで輸送した
スライドアームを搭載した重機を用いることで、電線などを避けて大型パネルの組み立てが可能

パートナー工場としての役割を担ってもらうことで対応エリアの拡大を図る方針だ。省施工、コスト削減に寄与し、住宅の高性能化のニーズも満たす点などが支持され、大型パネルの採用実績は伸長している。戸建住宅だけでなく、アパートやコンビニ、幼稚園など、様々な用途の建築物へ採用が広がる。

できるかぎり早く静かに 大型パネルに白羽の矢

今回、千葉県習志野市の建設事業者である日新建設から依頼を受け、船橋市で大型パネルを活用して3階建アパートの建替え工事を請け負った。密集地での工事案件であるという制約があり、日新建設が、「近隣に迷惑をかけずに早く工事を終えたい」と検討した結果、白羽の矢が立ったのが大型パネルだった。狭小地であるため通常使用する4tトラックは使用できないため、大型パネルの製造工場から現場近くの倉庫で、2tトラックに積み替えピストン輸送する、アームがスライドする特殊な重機を使用する、といった対策を講じることで、2日で上棟、サッシ、断熱、防水工事及び防犯対策までを完了した。こうした住宅密集地の案件であっても、事前にグーグルマップなどの地図情報を活用することで、大型パネルの適用が可能か、容易に把握できるという。