家と庭が両立する住まい提案を強化 顧客一人ひとりが欲する価値を提供

タカショー 代表取締役社長 高岡伸夫 氏

タカショーは、別注対応ができる工場機能を強化し、高付加価値提案を強化している。同社の高岡伸夫社長は「顧客一人ひとりのオーダーメイドに対応できるという強みをさらに伸ばすことで、価格競争ではなく、品質競争、価値競争で、事業価値を増していきたい」と話す。7月26日・27日、東京流通センターで開催するガーデン&エクステリアフェアの見所と合わせて、タカショーの差別化戦略を聞いた。

タカショー 代表取締役社長 高岡伸夫 氏

──ガーデン&エクステリアの市場環境をどのように見ていますか。

世界的に見ても100年に一度と言っていいほどの大変革期に入っているのではないでしょうか。21世紀は庭の時代だと言われます。世界大戦後、先進国を中心に大量の住宅が供給されましたが、60年以上の年月を経て老朽化が進み、建物だけでは陳腐化しやすい、資産価値を高めるためには庭を付けなければならないということに多くの人が気づき始めています。

庭は住まいの資産価値の向上に寄与します。住まいの資産価値を建物だけで高めることはできません。建物と庭が融合してはじめて、住まいの資産価値を高められるのです。さらに、美しい庭のある住まいが増えることで、街並みが整い、地域全体の価値の向上にも寄与します。

また、成熟社会を迎える中で、多くの人が単に物質的な豊かさだけでない、精神的な豊かさを求める傾向が強まっています。こうしたなかで「文化」「健康」「環境」といった分野が注目され、様々なスタートアップ企業が誕生し産業化してきています。まさにガーデン、エクステリア産業こそ、こうした時代の要請に応える多くのポテンシャルを備えていると言えるのではないでしょうか。さらに発展していく大きな余地が残されていると考えています。

とくに国内では高齢化が急速に進展する中で、介護医療費の増大が社会問題化しています。高齢者が健康で暮らせる期間をいかに伸ばし、介護医療費を抑制していくのか。予防医学の観点からも庭の重要性が高まってきていると感じています。

しかし、国内のガーデン、エクステリア市場に目を移すと、大量生産、大量販売の帰結として、価格競争が激しくなってきており、このことを懸念しています。価格競争が行き過ぎれば、当然製品の品質は落ちていきます。欠陥事故などが起これば、業界全体のイメージダウンに繋がりかねません。

マーケットが成熟し、ユーザーのニーズが多様化する中で、大量生産し大量販売するというモデルは、通用しにくくなってきています。当社は、こうしたマーケットの変化への対応に力を入れて取り組んできました。当社の強みは自社で製品を製造し、顧客一人ひとりのオーダーメイドにも柔軟に対応できる「マスカスタマイゼーション」の体制を整備していることです。この点が多くのユーザーから支持をいただいている理由だと思います。

画一的な商品を大量に販売するのではなく、顧客一人ひとりが欲する価値を提供していく。この強みをさらに伸ばすために、特に別注対応ができる工場機能を強化し、新商品の開発、製造能力の増強を図っています。今年のガーデン&エクステリアフェアには、画期的な新商品を多数出展します。

また、BtoC向けの提案力の強化にも取り組んでいます。自然に寄り添う暮らし方などの情報を発信する専門のWebプラットフォーム『Garden Story』を昨年10月2日に開設しました。ガーデン&エクステリアの楽しさや魅力が直接伝わるように工夫したコンテンツを1000本以上用意しました。魅力的なガーデン&エクステリアの事例などを紹介することでエンドユーザーの潜在的な需要を顕在化させることが狙いです。


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