2018.7.12

リバースモーゲージ本格普及の兆し

ノンリコース型、担保割れ保証で提携など環境整備が進み、地方へも拡大

リバースモーゲージが本格普及の兆しを見せている。ノンリコース型の提供や、担保割れリスクを保証する仕組みが広がってきたことで、普及が遅れていた地方の金融機関でも取り扱いが拡大。今後、一気に利用が広がっていく可能性がある。

リバースモーゲージとは、自宅とその敷地を担保にして金融機関などからお金を借りることができる金融商品のこと。毎月の支払いは利息のみで、契約満期または契約者死亡時に元金を一括返済する。現金で返済できない場合は、自宅とその敷地を売却して返済に充てる。持ち家はあっても年金収入が少なく手元資金が少ない場合の資金調達方法として利点が大きい。老後の生活費や高齢者施設への入居費用などの様々な使途に活用できる。

一方、リバースモーゲージには「長生き」「担保不動産価値下落」「金利上昇」などによる担保割れリスクがあり、金融機関がその取り扱いに二の足を踏む大きな理由となっていた。また、日本で提供されているリバースモーゲージの多くは、一括返済時に担保割れした場合に担保以外の返済義務が生じない「ノンリコース型」ではなく、担保以外の財産を含めて返済しなければいけない「リコース型」であるということも普及を妨げている。リコース型だと親世帯が債務を返済仕切れなかった場合に、子世帯にその債務の返済義務が及ぶ可能性もある。

加えて、地方では首都圏よりも担保評価額が低いということも普及が遅れている理由のひとつ。日本では建物の価値は約20年でゼロになるので、リバースモーゲージの担保評価は実質的には土地を対象とするが、地方では土地の担保評価額が特に低くなってしまう。このため、リバースモーゲージの提供にメリットを見いだしづらい金融機関も多かった。


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