(一社)ソーラーシステム振興協会(東京都中央区・矢崎航 会長)は、太陽熱利用システムの出荷台数の拡大へ向けた新施策を打ち出す。太陽熱利用システムの愛称「そらエネ」を広めることで同システムの認知度向上を図るとともに、太陽熱と太陽光発電を組み合わせた新たな設備「PVT」の普及にも力を入れていく。

屋根に降り注ぐ太陽の熱を集熱器などで取り込み、給湯や床暖房などに利用する「太陽熱利用システム」——。石油や電気を必要としないエコロジーな設備として、オイルショックを追い風に普及した。だが、オイルショックが落ちついたことと、高効率給湯器の登場などによりその出荷台数は1980年の年間約8万台をピークに右肩下がりとなり、2017年度の出荷台数は2万2643台と4分の1程度まで落ち込んでいる。

このため、(一社)ソーラーシステム振興協会(以下、ソ振協)は低下した太陽熱利用システムの認知度を図る。この一環として、昨年決定した太陽熱利用システムの愛称「そらエネ」の普及に力を入れる。ロゴも作成し、会員会社で共通のツールとして活用する。展示会などで前面に押し出すことで、一般の人にも太陽熱利用システムに対する関心を高めてもらう。また、省エネ意識の高い層への訴求も強化していく。高効率給湯器などとセットで導入することで、よりガスや電気などのエネルギーを使わずに生活できるようになる。

PVTの設置イメージ

(一社)ソーラーシステム振興協会は太陽熱利用システムと太陽光発電システムを組み合わせた新たな大陽エネルギー利用システム「PVT」の普及にも期待を寄せる。画像はPVTの設置イメージ

太陽熱利用システムに「そらエネ」という愛称を付けた。ロゴも作成し普及に力を入れる

太陽熱+太陽光の新技術にも期待

一方で、太陽熱利用システムと太陽光発電システムを組み合わせた新たな大陽エネルギー利用システム「PVT(Photovoltaic thermal collectors)」の普及推進にも力を入れていきたい考えだ。同システムでは太陽光発電パネルと太陽熱集熱パネルを組み合わせひとつのパネルにしたPVTパネルを屋根に設置することで、発電も太陽熱利用も行えるというメリットがある。例えば、都心の狭小地では太陽光発電の搭載量が限られてしまうが、PVTなら太陽熱も利用できるので、省エネ効率を向上できる。また、太陽光発電パネルの温度が上昇すると発電効率が下がってしまうが、PVTパネルなら太陽熱集熱部が太陽熱を吸収するため、太陽光発電の発電効率を高められる。PVTについては、これまでも研究が進められてきたが、日本ではようやくここ数年で実用化し始めているという状況でOMソーラー(静岡県浜松市・飯田祥久 代表取締役社長)などが販売を行っている。

PVTついては、太陽熱と太陽光の2つの領域をまたぐため、ソ振協では今後、太陽光発電関連の協会との連携なども検討しながら、普及に向けたサポートを行っていきたい考えだ。また、2018年度のZEH支援事業では、ZEHを建築する際に、太陽熱による先進的な再生エネルギー技術を活用した場合、戸当たり90万円の追加支援が設けられる予定だ。この「太陽熱による先進的な再生エネルギー技術」については、PVTも対象となる見通しであり、ソ振協では期待感を示している。

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