お知らせ ◆10月7日〜13日頃、無料会員の新規登録に不具合が発生する状況がございました。この期間にご登録いただいた方で確認のメールが届いていない場合、お手数をおかけし恐縮ですが再度ご登録の手続きをお願いしております。  ◆ハウジング・トリビューン最新刊Vol.628(2021年19号)好評発売中です   ◆有料会員サービス「Housing Tribune Online Premium」がスタートしました (2021.4)  ◆ハウジング・トリビューンが注目する注目の業務改善ツール 一覧はこちら (2020.10) ◆住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜発売。ご購入・年間定期購読はこちら建材・設備情報サイト「スマテリアル」は福井コンピュータアーキテクトの「3Dカタログ.com」と連携しています(2019.12)

木造で都市の未来を描く

住友林業が木造による高層建築物の開発構想「W350」計画を発表した。高さ350m、地上70階建ての超高層ビルを木造で建設するというものだ。

同社の市川晃社長は「プロジェクトを通して木造建築の可能性を広げ、世界の高層建築の木造化・木質化をリードする」と語っている。

住友林業は木造高層建築物の開発構想「W350」によって木造建築の可能性を広げ、街を森にかえる環境木化都市の実現を目指している

日本は国土の約3分の2が森林という世界でも有数の森林大国だ。豊富な木材資源を背景に古くから住宅も含め、木造による建築が発展した。ただ、戦後の復興の中で都市の不燃化が叫ばれ、木造の技術開発は一時途絶えてしまい、高層ビルをはじめとする中・大規模建築物のほとんどがRC造やS造で建てられるようになった。木造にとっては冬の時代が続いたと言えるだろう。

しかし、ここへ来て環境対策の観点からCO2を吸収・固定し、再生可能な木材の利用が推進され、木造も見直されるようになってきた。環境面だけでなく、健康や快適性の向上という点でも木造の効果が認められるようになってきた。最近では、中・大規模建築物も木造で建てられるケースが増えてきた。2時間耐火構造CLTなど新たな技術や工法なども開発されている。しかし、こうした技術の多くは欧米で生まれたもので、木造に関する技術では日本はヨーロッパなどから遅れをとっていると言わざるを得ない。永きにわたって木造建築文化を育んできた国としては残念な状況だ。

そうしたなかでの「W350」は、住宅をはじめ木造建築に関わる関係者にとって久しぶりに夢を感じるわくわくするような計画ではないだろうか。現状、木造ビルで高さ世界一は、昨年、カナダのバンクーバーに完成した18階建てのビルだが、「W350」はこれをはるかに上回る。実現すればまさに世界をリードする木造建築となるはずだ。実現に向け住友林業は資源や材料にまでさかのぼって技術開発を進めるとしており、「W350」をきっかけに機能・性能、用途など様々な面で木の可能性を高める技術が生まれてくる可能性がある。「W350」のデザインモデルを見ると、それ自体が都市の空を支える大樹のように思えてくる。そんな木造高層ビルが森のように林立する都市の姿は、環境問題や防災、労働環境など社会が抱える様々な問題を乗り越えた未来の都市のあり方ではないだろうか。

Housing Tribune最新刊

住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜日発売。年間購読者には電子版News Report「Housing Tribune Weekly」を配信しています。

ハウジング・トリビューンVol.628(2021年19号)

特集:

住産業はどう対応する?

社会が大きく変わりつつある。
環境対策は待ったなしの緊急課題で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが急展開している。
少子高齢化は、わが国の人口構成を大きく変え、これまでになかった社会を迎えつつある。
また、地震や台風などの自然災害の激甚化・頻発化は気候変動への対策とあわせ、その対策が強く進められつつある。
さらにコロナ禍は、働き方改革やデジタル化を好むと好まざるとにかかわらず、強制的に進めることになった。
こうしたなかで人々の暮らしも変わりつつある。
生活を支える住産業は、こうした変化にどのように対応していくのか──。
各省庁がまとめた白書をベースに、さまざまなデータを紐解いた。

目次を見る

関連記事

2021.10.14

YKK AP 性能向上リノベの普及へ 全国の工務店と協働体制を構築

「性能向上リノベの会」を発足し、累計1万棟の実績目指す

2021.10.13

アキュラホーム、耐震と開放の両立を目指し倒壊実験を実施

「超空間の家」モデルに、どこまでやったら倒壊するかを検証

2021.10.13

ウイング、2×4工法の国産材化を推進

小さなサプライチェーンで持続可能な地域を全国に